最近「NFT」という言葉をよく聞くようになった。NFTとはNon-Fungible Token (非代替性トークン) のことで、偽造や改ざんが難しいブロックチェーン技術を使い、デジタルデータが唯一無二のものであることを証明する技術。デジタルで作られたアートなどに資産価値を持たせられるので、数年前から広く用いられ始めている。
グラビア写真家の鯨井康雄さんは早くからこの技術に注目。自身の作品をNFTとして販売している。今回、フィルム時代に撮影した中山エミリ、坂下千里子、小沢真珠の作品をNFTとしてデジタルにリメイク。GMOが運営するAdam by GMOのプラットフォーム「Kujira Club / 写真家鯨井康雄写真館」から、2023年2月23日に発売する。
中山エミリは写真集『Principessa』(2003年9月)、坂下千里子は写真集『BACK OFF!!』(2003年2月)、小沢真珠は写真集『PEARL』(2002年5月) の作品を中心に、写真集以外のものも含めて50作品を選び、1カット単位でNFT化した。
フィルム作品のタッチは、デジタルでは表現できないあたたかみや、やわらかさが感じられるもの。簡単に加工することもできなかった時代の貴重な作品を、一切の手を加えずにデジタル化している。
やり直しのきかないフィルム撮影は写真家の腕が一番試された時期であり、同時にグラビアの黄金期でもあった。当時活躍した彼女たちに思い入れのある人も多いのではないだろうか。
ファンはもちろん、NFTコレクター、写真が趣味の人にも撮影方法など参考になるはず。NFTにより購入者だけが独り占めできる、一点ものの貴重なグラビア作品を手に入れて、そっと2000年代初頭に思いをはせてみてはいかがだろうか？
■販売サイト
Kujira Club / 写真家鯨井康雄写真館
https://adam.jp/stores/skycommunications
鯨井康雄 (Yasuo Kujirai)
日本大学芸術学部写真学科卒。中山エミリ、坂下千里子、小沢真珠、大地真央、浅香唯、山瀬まみ、菊川怜、佐藤藍子、広末涼子、里見浩太郎、佐藤智仁、熊田曜子、安田美沙子、南明奈、岡本玲、坂田梨香子、大島麻衣のほか、女優、俳優、タレントなど200冊以上の写真集や雑誌などを撮影。韓流スターのリュ・シウォンを撮影した写真集は10万部と大ヒットを収めた。数多くの雑誌表紙、グラビア、カレンダー、広告、CDジャケットなどの撮影を手掛け、人物撮影を中心に第一線で活躍中。日本写真家協会会員。
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〈文〉稲葉利二