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廃線となる留萌線の思い出が詰まった番匠克久写真集『留萌線の記憶』

番匠克久さんの写真集『留萌線の記憶』が発売された。

番匠克久『留萌線の記憶』

■収録内容 (タップ/クリックで拡大します)

 

北海道・留萌本線は深川~増毛間の66.8kmを結ぶ路線で、100年以上の歴史を持つ。2016年に留萌~増毛間が廃線となり、次いで2023年3月、石狩沼田~留萌間が廃止、そして2026年にはその役割を終わる。

番匠さんが初めてこの鉄道を訪ねたのは1993年。以来、沿線風景の魅力に引かれ、何度も通った。そして、この沿線にまつわる記憶を本書に留めた。増毛駅には映画のロケに使われた風待食堂と、最北の酒蔵、国稀酒造がある。この沿線に関わった人々の思い出も添えられている。

1950年ごろは3~4両の客車に、留萌港へ積み出す石炭を積んだ貨車が連結されていたそうだ。車内は中高生や勤め人で満員となり、時には貨車の石炭の上に乗った。近年は通学時間に込み合うときで10数人の高校生が乗り合わせるのみだ。

中には人が並ぶ場所もある。留萌駅の「駅そば」で、列車が到着すると行列ができる。電車に乗らないお客さんも少なくないようで、人気はにしんそば650円也。

ガンガン部隊と呼ばれた行商たちもいて、魚を大きなブリキ箱に詰めて売りに行っていた。1999年の春に放映されたNHK連続テレビ小説「すずらん」は恵比島駅が舞台だ。行ったことのない人でも写された風景や人の姿は懐かしく、駅舎や一枚の乗車券にも数々の物語が詰まっていることを感じる。

番匠克久『留萌線の記憶』

体裁 B5判・96ページ
価格 1,540円(税込)
発売日 2023年2月18日
発行 北海道新聞社

 

〈文〉市井康延