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一眼レフ黎明期の大口径標準レンズを現代に甦らせた「フォクトレンダー NOKTON 55mm F1.2 SL IIs」

コシナは、フォクトレンダーの大口径標準MFレンズ「NOKTON 55mm F1.2 SL IIs」を2023年5月に発売する。対応マウントはニコンFマウント。希望小売価格は88,000円 (税込)。

NOKTON 55mm F1.2 SL IIs

 

本製品は、フォクトレンダーSL IIsシリーズの5本目となるニコンFマウント用MFレンズ。CP+2023のコシナブースで参考出品されており、発売が予告されていた。同シリーズのレンズは、いずれも耐久性に優れた金属部材を使用した鏡筒とスムーズな操作感のフォーカスリングを持ち、高い光学性能を発揮する。

■クラシカルなレンズ構成

「NOKTON 55mm F1.2 SL IIs」は、1960年代の35mm一眼レフ黎明期に各社が開発にしのぎを削ったF1.2クラスの大口径標準レンズへのオマージュが込められている。レンズ構成は、6群7枚。クラシカルな球面レンズで構成されているが、最新の光学技術を投入することで、現代的な高画質を実現している。そのため、絞り開放では柔らかな描写と大きなボケが得られ、F4まで絞ると画面全体が高いシャープネスを見せるようになる。

NOKTON 55mm F1.2 SL IIs
CP+2023 コシナブースで撮影 (Photo 柴田誠)

■総金属製のフォーカスリングと絞りリング

フォーカスリングと絞りリングは総金属製。大きく削り込まれた指がかりと精密な切削加工によるローレットパターンが、マニュアル操作の感触を向上させる。ほかのフォクトレンダーSL IIsシリーズと異なり、カラーはブラックのみ。焦点深度指標リングもブラック仕上げとされ、より精悍さが増している。

NOKTON 55mm F1.2 SL IIs
CP+2023 コシナブースで撮影 (Photo 柴田誠)

■CPUを内蔵しつつAiカプラーも搭載

マウントはCPU内蔵のニコンAi-S互換Fマウント。後玉はマウント内径に迫る大きなもので、これを収めるために電気接点部分の部材が薄く加工されている。また、Aiカプラーを搭載し、往年のフィルム一眼レフカメラでも撮影を楽しめるように配慮されている。なお、別売りになるが、金属製のねじ込み式円形レンズフード (LH-55s) も用意されている。

NOKTON 55mm F1.2 SL IIs
Fマウント内径に迫る大きな後玉 (Photo 柴田誠)
NOKTON 55mm F1.2 SL IIs
「NOKTON 55mm F1.2 SL IIs」用の円形レンズフード「LH-55s」(参考価格 税込5,500円)

フォクトレンダー NOKTON 55mm F1.2 SL IIs 主な仕様

マウント ニコンF (Ai-S CPU内蔵)
対応フォーマット 35mmフルサイズ
フォーカス マニュアルフォーカス (MF)
焦点距離 55mm
開放絞り F1.2
最小絞り F16
レンズ構成 6群7枚
画角 43°
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 0.45m
最大撮影倍率 1:6.2
フィルター径 φ52mm
最大径×全長 φ69×48.1mm
質量 365g