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6人の編者による6つのテイストが楽しめる、新しい趣向の立木義浩写真集『七つの真実にまさるひとつのきれいな嘘を』

立木義浩さんの最新作品集『七つの真実にまさるひとつのきれいな嘘を』が、2023年6月26日に発売される。

立木義浩写真集『七つの真実にまさるひとつのきれいな嘘を』

■収録内容 (タップ/クリックで拡大します)

カラーとモノクロが混在する一風変わったスナップ集

本書は、立木さんが10年くらい前から新型コロナ感染症によるバンデミックの現在まで、東京都内を中心に日本国内のさまざまな場所で撮影した膨大な量のスナップ群から選ばれた作品をまとめたものだ。

今までの作品集に収録されている作品はモノクロ写真が多いが、今回はカラーとモノクロが混在しているので、全体を通した見え方や雰囲気も違ったものになっている。それだけでなく、構成も個人の作品集としてはあまり例を見ないもので、「編者」という見慣れない役割が出てくる。

1000枚のスナップから6人の編者が自由に編む

作品のまとめ方も変わっていて、新作スナップ群およそ1000枚を立木さんとゆかりのある6人の編者に手渡し、各自が自由に16ページずつ選び・並べ・構成を担当し、題を付けてもらった。また、ひとりの聞き手が立木さんとの対話を一編にまとめている。まるで7つの冊子が集約されたように見える。

編者は高校生、大学生、雑誌編集者、写真専門誌代表、写真集専門古書店の店主、それに本作品集のデザイナー。世代も10代から50代までと幅広く、それぞれの自由な視点で選んでいる。別々に選ばれたのに、重なった写真は1点しかなかったとのことだが、これは驚きでもあり編者が自由に選んだ結果ということだ。その結果か、一見しただけでも一人の写真家が撮ったのかと驚くほど、テイストが異なるイメージにあふれている。

長きにわたりスナップを撮り続けている立木さんだが、今回の作品集は「写真を見ること、選ぶこと」の面白さを教えてくれるような、今までにない体験ができる一冊に仕上がっている。

編者 / 執筆者

  • 「Uncertain Gaze」中嶋琉平
  • 「窓から少年の悪戯」近田拓郎
  • 「La rencontre avec l’inconscient 無意識との出会い」飯塚ヒデミ
  • 「写真沙汰−立木義浩に聞く」川田洋平
  • 「////」黒﨑由衣
  • 「Strange」TEAM OBAKE
  • 「シャれた日常」町口 景

立木義浩写真集『七つの真実にまさるひとつのきれいな嘘を』

発売日 2023年6月26日
価格 2,970円(税込)
判型 B5判、182×257mm
仕様・頁数 並製本、126ページ
デザイン 町口 景
編集 川田洋平
発行 アイ・イメージング・フラッグ

 

立木義浩 (Yoshihiro Tatsuki)

1937年、徳島県徳島市の写真館に生まれる。母・立木香都子は、NHK朝の連続テレビ小説『なっちゃんの写真館』(1980年) のモデルとしてその半生を描かれたことで知られる。1958年、東京写真短期大学 (現・東京工芸大学) 技術科卒業。その後、広告制作会社アドセンター設立時にカメラマンとして参加。1965年『カメラ毎日』で掲載された「舌出し天使」が話題となり、一躍世間の注目を集める。1969年、フリーランスに転身。女性写真の分野を中心に、多くの著名人を撮影。同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続け、多くの作品を世に送り出す。その一方、広告・雑誌・出版など幅広い分野で活動し、現在も現役カメラマンとしてシャッターを切る。主な受領歴に、日本写真批評家協会新人賞 (1965年)、日本写真協会賞年度賞 (1997年)、日本写真協会賞作家賞 (2010年)、文化庁長官表彰 (2014年) などがある。