シグマのリアルイベント「新製品貸出し体験会・新作映画プレミア上映会 at 新本社」が、2023年6月24日にシグマの新本社 (神奈川県川崎市麻生区) で開催されると聞いて、さっそく行ってみた。
「あなたにとって良い写真とは？」ドキュメンタリー映画を先行上映
第1部は、山中有監督の最新ドキュメンタリー『WHAT’S A GOOD PHOTO TO YOU？』の先行上映が行なわれた。シグマのいくつもの映像作品を手がける山中監督が、1年以上かけて制作したドキュメンタリー映画だ。
「あなたにとって良い写真とは？」との問いかけを100名近くの人に行なったインタビュー集で、年齢や撮影経験の有無などさまざまな人たちが、自分にとっての「いい写真」について回答していくというもの。グレーバックのモノクロ映像が、彼らの言葉に集中できるようになっている。『WHAT’S A GOOD PHOTO TO YOU？』の映像はシグマのサイトで見ることができる (本編34分 / 字幕あり)。
上映会の後には、山中有監督とシグマの山木和人社長によるトークステージが行なわれ、撮影の苦労話が披露されたり、映像を見た山木社長の感想が交わされた。半年くらいの予定であった納期が1年近くになったという裏話もあった。
シグマの映像作品を手掛けてきた山中有監督。『WHAT’S A GOOD PHOTO TO YOU？』には写真家の上田義彦さんや藤井保さん、澤田知子さんも登場し、「あなたにとって良い写真とは？」という問いに答えてもらった。
インタビューということで15分くらいの作品だと思っていたが、30分を超える作品になっていた。けれど、最後まで飽きずに見ることができた。「あなたにとって良い写真とは？」という一つの問いに、これだけ多くの回答がでてきたのが面白かったと語る山木社長。
現行レンズがすべて揃った「新製品貸出し体験会」
午後からは「新製品貸出し体験会」がスタート。受付を済ませると、好きなレンズを2時間、自由に使うことができる。事前申し込みが必要なかったので、午後から参加する来場者も多かった。撮影体験にはうってつけの天気の中、ゆったりした雰囲気の体験会だ。
レンズは現行モデルがほとんど用意されていて、Lマウント、ソニーEマウントに加えてニコンZマウントや富士フイルムXマウントも揃っていた。
フルサイズミラーレスカメラ「SIGMA fp」「SIGMA fp L」も用意されていた。
会場の一角には、オリジナルグッズの販売コーナーも設けられ、キャップやTシャツなどが会場特価で販売されていた。
新社屋の周辺で、思い思いに撮影を楽しむ参加者の皆さん。レンズの操作感や描写をじっくり確かめていた。
発売されたばかりの「SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art」を触ってみた
今回のイベントの目玉のひとつが、前日の6月23日に発売になったばかりの大口径超広角レンズ「SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art」だ。
超広角14mmと開放F1.4を両立しているだけに、ボディは小さくはない。ポリカーボネートTSC (Thermally Stable Composite) やマグネシウムなど、軽量な素材を適所に採用することで、内部構造の堅牢性を確保しながら軽量化を図っている。15群19枚 (FLD3枚、SLD1枚、非球面レンズ4枚) のレンズ構成ながら、1,160g (ソニーEマウント) を実現している。
星景写真を高解像で快適に撮影したいという要望に応えたレンズということで、三脚座を標準装備。また、意図しない操作によるピントずれを防ぐMFL (マニュアルフォーカスロック) スイッチも設けられている。
鏡筒には視認性の高い絞りリングが設けられている。
マウント部には、シートタイプのリアフィルターを装着できるリアフィルターホルダーを装備。フィルターの脱落を防止するロック機構も備えられている。
ロック機構を装備したカバータイプの専用レンズキャップは、フィルタースロット2つを備えている。
リアフィルターを2枚収納できる新開発のフィルタースロットは、ワンプッシュで開閉できる。シートフィルターを傷や汚れから守りながら、取り違えたり忘れたりすることなく持ち運ぶことが可能だ。
三脚座を外した状態の「SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art」。突起部が設けられていて、特定の位置でしか三脚座の着脱ができない構造になっている。
着脱式の三脚座はアルカスイスタイプ対応となっており、レンズヒーター使用時にも干渉しない形状になっている。