キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会が共同で行なっている「綴プロジェクト」の作品展「高精細複製品で綴る日本の美」が、2023年10月11日に開幕しました。
綴プロジェクト (正式名称 : 文化財未来継承プロジェクト) は、古くから日本に伝わる貴重な文化財の高精細複製品を制作し、多くの人に作品鑑賞の機会を提供することを目的とした社会貢献活動。屏風や襖絵、絵巻物などをキヤノンのデジタルカメラで撮影し、画像処理を施して大判インクジェットプリンターで出力後、京都の伝統工芸の技が加わり、オリジナルを忠実に再現しています。これまでに制作された高精細複製品は寺社や自治体、博物館などへ寄贈され、一般公開や学校教育など、さまざまな方法で活用されています。
本展では、これまでに制作された全60作品の高精細複製品のうち、俵屋宗達、尾形光琳、伊藤若冲、菱川師宣といった著名な絵師たちが描いた名宝8作品の高精細複製品を展示。ガラスケースなしで鑑賞できます。
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」高精細複製品はプリントに金箔を貼り、経年変化の質感まで表現しています。こちらはフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」で撮影されました。高精細複製品の撮影には、ほかにも「EOS 5D Mark IV」など、すべて市販されているキヤノンのデジタルカメラとレンズが使用されています。
狩野山楽・山雪「竹に虎図襖」の高精細複製品は、プリントに襖の引き手を取り付けています。この引き手は京都の職人の手によってオリジナルを忠実に再現したものです。
伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」高精細複製品を近くで見ると、大きな特徴である “升目描き” の手法まで精細に再現されているのがわかります。
こちらは尾形光琳の「風神雷神図屏風」と酒井抱一の「夏秋草図屏風」高精細複製品。描かれた当時は表裏一体の作品でしたが、原本は別々の屏風として保存されています。高精細複製品では当時の姿を再現し、表裏一体となっています。
長谷川等伯「松林図屏風」高精細複製品の展示では、プロジェクションマッピングも実施されています。作品の世界観を音と映像でも楽しめます。
展示作品はすべてオリジナルと同じ大きさで再現されています。質感まで表現した高精細複製品で、なかなか目にすることができない日本の名作をじっくり鑑賞できる絶好の機会です。
キヤノンギャラリー50周年企画展 : 綴プロジェクト作品展「高精細複製品で綴る日本の美」
会期 2023年10月11日 (水) ~11月16日 (木)
会場 キヤノンギャラリー S
住所 東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1F
時間 10:00〜17:30
休館日 日曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ キヤノンギャラリー S (TEL 03-6719-9021)
〈撮影〉中丸ひなこ