カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2024」が、2024年2月22日~25日にリアル会場とオンラインで開催。リアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。
ケンコー・トキナー
ケンコー・トキナーは、4つの独立したブースを展開。アイテム、ブランドごとに分かれての展示となった。ブース1は、カメラ、カメラバッグ、双眼鏡・天体望遠鏡、フォトフレームなどの製品のエリア。
【ブース1】極小トイデジカメと超望遠撮影用カメラバッグを展示
■Kenko トイカメラ Pieni M
まずは、クラシックカメラ風の超小型トイデジタルカメラ「Pieni」にカラー液晶モニターを搭載したニューモデル「Pieni M」が登場。約63×36×19mm、約23g (本体のみ) の極小ボディに122万画素のCMOSセンサーを搭載する。画像サイズは1280×960で、1280×720 (30fps) の動画撮影も可能。ボディカラーはブラックとグレイッシュブルーの2色。
背面には0.96型のTFTカラー液晶モニターを持ち、ライブビュー撮影が可能。オレンジ、グリーン、ブルー、モノクロに色調を変換するカラーフィルター機能もあり、写真の楽しみ方が広がる。記録メディアはmicro SDカードを使用。内蔵されるバッテリーは、USB Type-C端子を通して充電する。2024年3月15日発売で、価格はオープン。参考価格は7,920円 (税込)。
■aosta Sanctuary IV RK614AP BIRD CALL EDITION
カメラバッグ類の展示の中で、もっとも力が入っていたのが、「aosta Sanctuary」シリーズ。超望遠レンズに対応した縦長リュックタイプのカメラバッグで、今回の新製品で4世代目となる。目玉の1つが、野鳥写真家・中村利和さんが監修した「aosta Sanctuary IV RK614AP BIRD CALL EDITION」(左奥)。600mm F4を含む2本の超望遠レンズと縦位置グリップ付きのカメラ2台、双眼鏡、ノートPCが収納でき、機内に持ち込めるサイズに収めた優れもの。2024年4月発売予定で、参考価格は43,780円 (税込)。
第4世代の「aosta Sanctuary」シリーズ最大の特徴が、両サイドに別売のレンズポーチを取り付けられるベルトが設けられたこと。このレンズポーチは5サイズ用意される。2024年5月発売予定で、参考価格は2,860〜6,160円 (税込)。
■aosta Sanctuary IV RK260
主力モデルが「aosta Sanctuary IV RK260」。200-600mmクラスの超望遠ズームレンズをカメラに装着したまま収納できる。レンズを上下2か所でしっかりと固定できるため、移動中に機材がバッグの中で動くことがない。スペースを有効に使うことができる大型ポケットも用意されている。カラーは、ブラックカモとグリーンカモの2種類。2024年5月発売予定で、参考価格は28,600円 (税込)。なお、600mm F4レンズ対応の「RK600」は、参考価格が41,800円 (税込)となっている。
■aosta Sanctuary IV IS リュック
座れるリュックとして好評だった「IS リュック」もリニューアルして「aosta Sanctuary IV IS リュック」となった。内寸の高さ390mmを確保し、200-600mmクラスの超望遠ズームレンズにも対応する。耐荷重100kgで、撮影チャンスを待つ間、上に座ることができる。写真はXLサイズのレンズポーチを付けた状態。カラーは、ブラックカモとグリーンカモの2種類。2024年5月発売予定で、参考価格は38,280円 (税込)。
左奥は、100-400mmクラスの超望遠ズームレンズに対応するトートバッグタイプの「aosta Sanctuary III RT140」(現行品)。
【ブース2】実用性の高い新型フィルターが続々登場
撮影用フィルター類を中心に展示されたブース2。ブラックミストやホワイトミストなど、新しいタイプのソフトフィルターをモデル撮影で体験できるコーナーが設けられた。
■Kenko バリアブル NDX III
新製品「ケンコー バリアブルブル NDX III」は、ND2.5〜128の可変式NDフィルターで、超広角レンズ使用時のXムラ発生を極限まで抑える設計となっている。色かぶりの少ない偏光膜を採用し、高いニュートラル性を確保。回転式のフィルター枠には、ND値ではなく、減光の目安となる絞り段数を表記している点も、従来の可変式NDフィルターとの違い。レバーは着脱式。サイズは77mmと82mmの2種類。2024年6月発売予定で、価格は未定。
■Kenko リア プロソフトン
「ケンコー リア プロソフトン」は、レンズ後部のマウント部に取り付けるシートタイプのソフトフィルター。レンズ前面にフィルターを装着できない超広角レンズに使用できる。特に星景撮影の際、画面周辺部の星が放射状に伸びるのを防ぐ効果があるとしている。ソフト効果のある部分のサイズは約52×54mm。ソフト効果の強弱が異なる3枚セット。2024年6月発売予定で、価格は未定。
ポリエステル素材のため、必要な大きさ、形状にカットできる。写真はレンズ後部のリアフィルター装着部に取り付けたところ。
■フィルター関連製品
こちらは撮影をサポートするフィルター関連製品3モデル。左端はねじ込み式の円形フィルターを磁力で着脱するための「マグネティック・マウント・システム」。レンズ先端に取り付ける「ベースリング」と、フィルターに取り付ける「コンバージョンレンズ」の組み合わせで使用する。49〜82mmの各サイズが用意される。2024年5月発売予定で、価格は未定。
中央は、天体撮影時に星にピント合わせためのツールで、点光源に生じる光条の形で合焦を確認する。発売済みの製品。右端も発売済みの製品で、82mm径の円形フィルターを100mm幅の角型フィルターホルダーに装着するためのアダプター「スクエアコンバージョンフレーム for 82mm」。
■スマホ用フィルター
2023年4月に発売されたスマートフォン用のフィルターシステム「EXAPRO」に特殊効果を加えるフィルターが一気に8種類発表された。写真の左から「プリズム Vortex」「プリズム Kaleido」「プリズム Linear」。
このほかに、「ANAMORFLARE Clear」「ANAMORFLARE Blue」「Rainbow Flare」「Twinkle Star 4X」「Twinkle Star 8X」がある。49mm径のフィルターを付けられる「EXAPRO フィルタークリップ」に各種フィルターが付属するセットでの販売。いずれも2024年4月発売予定で、参考価格は5,280〜9,680円 (税込)。
■ZHIYUN
ケンコー・トキナーは、中国・桂林発のジンバルブランド「ZHIYUN (ジーウン)」の新規代理店となり、同社の電動ジンバルやLEDライト製品を2024年3月20日より販売開始するとのこと。
【ブース3】人気モデルのリニューアルと革新的な切削加工への挑戦に注目
三脚ブランド「SLIK (スリック)」のブースでは、人気カーボン三脚のリニュアールモデルや参考出品の三脚・雲台を展示。全高7.5mの高所撮影用のカーボン伸縮ポール「CLIP-75426」の派手なプロモーションに目を奪われがちだが、実用性の高いモデルも展示されていたので、こちらをチェックした。
■SLIK ライトカーボン E
最大パイプ径28mmの中型タイプの軽量カーボン三脚「ライトカーボン」の3モデルがリニューアル。全高1845mmの3段三脚「ライトカーボン E 83 II」、全高1775mmの4段三脚「ライトカーボン E 84 II」、全高2290mmの4段三脚「ライトカーボン E 84 HII」は、いずれもハライチロック式開脚機構を採用し、カメラの着脱をダブルナット式で行う3ウェイ雲台 (SH-706) を新たに搭載する。2024年3月15日発売で、希望小売価格は60,500〜69,300円 (税込)。
■SLIK プロ 700 / 500 DX IV
軽量高強度のアルミ・マグネシウム・チタン合金 (ATM)を使用した「プロ 700 / 500」が、2024年夏に復活の予定。最大パイプ径30.2mmの大型三脚「プロ 700 DX IV」と最大パイプ径26.8mmの中型三脚「プロ 500 DX IV」の2機種があり、価格は未定。
■SLIK 切削加工カーボン三脚&切削加工雲台
参考出品の三脚・雲台の中で、注目したいのが「切削加工カーボン三脚」と「切削加工雲台」。通常、三脚や雲台の金属パーツは材料を鋳型に流し込んで成型しているが、高品質の金属の塊から削り出す (切削) ことで製造しようというもの。切削による金属パーツは、強度を確保したまま部材を薄くできるため、軽量化が可能とのこと。レバー類の肉厚は非常に薄く、持ち上げると通常のカーボン三脚よりさらに軽い。
ブースには、写真中央の「切削カーボン三脚 (φ25mm)」と写真右奥の「切削カーボン三脚 (φ32mm)」。さらに「切削カーボン三脚 (φ40mm)」「切削ビデオ自由雲台」などが展示されていた。
■SLIK クラシックスタイル三脚
こちらも参考出品の「クラシックスタイル三脚」。1970年代のスリックのリバイバル雲台とのセットで、脚にはカラーレザーのグリップが巻かれている。
■SLIK カラーカーボン三脚
同じく参考出品の「カラーカーボン三脚」。通常のカーボン三脚用のパイプではなく、スポーツ用品用のカーボンパイプを使用し、表面をカラー加工したもの。脚の伸縮はスムーズ。
【ブース4】新型のLensbabyとSAMYANGのシネマAFレンズが人気
ケンコー・トキナーが取り扱うレンズブランドが集合したブース。トキナーコーナーには、昨年デビューした超望遠ミラーレンズ三兄弟「SZ PRO」シリーズが並び、その隣にはZEISS (ツァイス) の高級レンズ群が一同に集められた。華やかなLensbaby (レンズベビー) とシネマAFレンズを揃えたSAMYANG (サムヤン) コーナーも盛況な様子。
■Lensbaby Sweet 22
レンズベビーの新製品「Sweet 22」は、画面の中心にピントが合い、周辺が放射状に流れたボケとなるユニークな写りの22mm超広角MFレンズ。レンズ構成は2群4枚で、最短撮影距離はレンズ先端より12.7cm。全長は38.5mmと薄型でパンケーキレンズのような形状。重さは105〜110g。
フルサイズフォーマットに対応し、マウントはキヤノンRF、ソニーE、富士フイルムX、ライカLの4種を用意。絞りはF3.5固定のため、キットにはND8フィルター (46mm径) が付属する。2024年3月22日発売で、価格はオープン。参考価格は、「Sweet 22」単品が28,800円、NDフィルター、ケース、クリーニングクロスが付属する「Sweet 22 Kit」が36,800円 (いずれも税込)。
■SAMYANG V-AF 20mm T1.9
サムヤンの新製品は、シネマAFレンズシリーズの6本目「SAMYANG V-AF 20mm T1.9」。V-AFシリーズではもっとも画角の広いモデルで、今春発売を予定している。価格は未定。
■SAMYANG V-AF 1.7X Anamorphic MF Adapter
V-AFシリーズの関連製品として「SAMYANG V-AF 1.7X Anamorphic MF Adapter」も初お目見え。V-AFレンズの先端にこのアダプターを装着することで、ワイドな画面サイズの映像が撮れるアナモルフィックレンズとなる。16:9の動画撮影時には3:1比率の動画が撮れ、3:2比率のイメージセンサーで2.55:1比率の写真が撮れる。回転角度の大きなマニュアルフォーカスリングを搭載し、レンズ正面下側にはタリーランプが設けられている。