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ひと味違うカメラ史が見えてくる! 貴重なカタログが勢揃い「カメラとカタログ カタログからみるカメラの時代」展

広告は時代を映す鏡であり、カメラのカタログもその一つ。日本カメラ博物館は特別展「カメラとカタログ カタログからみるカメラの時代」を開く。会期は2024年3月19日〜6月30日。

カメラとカタログ カタログからみるカメラの時代

 

カメラのカタログは、相当なマニアでもきちんと残している人は少ないはず。JCIIライブラリーでは丹念に収集を続けてきた。「紙質、デザイン、コピー、イメージキャラクターとして起用された有名人など、まさにカメラとその時代を表す鏡」と同館の山本さんは話す。

音楽家の坂本龍一やタレントの井上順、ビクトリア・ブリンナーら著名人を起用した時代もあった。どのカメラで使われていたか、記憶にあるだろうか。

ライカは〈降り懸かる火の粉は払わねばならぬ〉といった煽情的な宣伝文句が付けられた。「出版物の多さとキャッチコピーの巧みさ」がライカ成功の理由の一つと同館では分析する。

カタログは世界初の市販カメラである「ジルー ・ダゲレオタイプカメラ」のころからあったのも驚きであり、そんな古い時代の貴重な資料も見ることができる。また、生産台数が少なかった「ズノーカメラ」や、「OM-1」の前に存在した「オリンパス M-1」のカタログなども網羅され、また違ったカメラ史が楽しめる企画展だ。

カメラとカタログ カタログからみるカメラの時代
上段左から『Historique et description des procédés du daguerréotype et du diorama』(1839年)、ライカカタログと「ライカ III」(1933年)、「キヤノン F-1」カタログとカメラ(1970年)、『’60 カメラ総合カタログ』。下段左から「ニコン F」カタログとカメラ (1959年)、「ペトリ V6 F2」カタログとカメラ (1968年)、「オリンパス M-1」カタログとカメラ (1972年)。

日本カメラ博物館 特別展「カメラとカタログ カタログからみるカメラの時代」

会期 2024年3月19日 (火) ~6月30日 (日)
会場 日本カメラ博物館
住所 東京都千代田区一番町25 JCIIビル地下1階
時間 10:00〜17:00
休館日 月曜 (祝日の場合は翌日休館、4月27日~5月6日は開館)
入館料 一般300円、中学生以下無料
問い合わせ 日本カメラ博物館 (TEL 03-3263-7110)

主な展示予定資料

①古い時代のカタログ
『Historique et description des procédés du daguerréotype et du diorama』(1839年 / アルフォンス・ジルー)
『写真器械及諸薬品定価表』『寫真用鏡玉目録 CATALOGUE OF PHOTO-LENSES』

②特色あるカタログ
『降り懸かる火の粉は払わねばならぬ』『新時代のカメラ ライカ』『ライカは記録する眼である』『CANON F-1』『CANON NEW F-1 FOR PROFESSIONAL』

③写真家や有名人を起用したカタログ
『ペトリ V6 F2』秋山庄太郎 (写真家)
『CANON EOS 650』ビクトリア・ブリンナー (写真家・モデル / 父は俳優のユル・ブリンナー)
『YASHICA FR』加納典明 (写真家)
『KYOCERA SAMURAI』 坂本龍一 (音楽家)

④珍しいカタログ
『Zunow ズノーカメラ』『OLYMPUS M-1』『大丸特選 バイカ・カメラ』

⑤総合カタログ
『総合カタログ』『システムチャート』『カメラ総合カタログ』『カメラ映像機器総合カタログ』『用品ショーカタログ』『写真・映像用品ショーカタログ』『写真・映像用品年鑑』

 

 

〈文〉市井康延