第33回全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園2026」が開幕。2026年5月21日に初戦審査会が開かれ、463校からブロック審査会へ進む80校が選ばれた。

評価基準はテーマ性・技術力・表現力 (心技眼)
初戦審査会は応募作が多く、朝から夕刻までの長丁場だ。数十校ずつの作品を入れ替えながら、8名の審査員が全ての応募作をじっくり見ていく。評価基準はテーマ性、技術力、表現力 (心技眼) の3点。

本戦を見据えて審査
代表審査委員の野村恵子さんは会場を二巡する。「入力はタブレットを使うので、ミスがないか確認します。微妙な点数のつけ間違いで当落が変わってしまいますからね」と野村さん。
3つの基準点を評価していくが、野村さんが注視するポイントは、北海道東川町で行なわれる本戦で、より真価を発揮してくれるかだ。「どのくらい熱量をかけて取り組んでいるか。“このぐらいでいいか” と出してきたものと、“突き詰めたもの” とでは、伝わるものが全く違います」。
インターネットで多くの情報が入手できる現在、高校生たちは多くの写真を目にし、表現のトレンドをつかんでいる。「良くも悪くも、全国的にやろうとしていることは似通ってきています」。その中で一歩頭抜けるには何が必要なのだろうか。

「想い」と「個性」を重視
キュレーターの小高美穂さんは5年ぶりに審査に加わった。久しぶりに高校生たちの写真を見て「コロナを経て、当たり前の日常が戻ったことを感じました」と話す。
審査で重視する点は、「撮影者の想い」と「北海道の本戦でやり切れる個性」があるかの二つ。高校生たちは未完成であるが故に、多くの可能性が目の前には広がる。その過渡期だからこそ見える世界や揺らぎがある。「今の自分たちだからこそ撮れる一瞬や関係性が現れている写真に目が留まります」。

気持ちが生々しく伝わる写真を見たい
写真家のGOTO AKIさんは今回から審査に加わった。日本大学芸術学部写真学科の准教授として若い学生たちと接しているが、「高校生の目線、行動範囲で撮られた写真は初々しく新鮮です」と話す。
審査では「評価基準とは別に、一見したときに感じた感覚を大事にしています」という。日常の中でその人が感じている楽しさや喜び、悲しみや悩み。「誰かの真似ではなく、そんな気持ちが生々しく伝わってくるものを見たいと思っています」。
5点以上の組写真であれば、作者の技量や世界観の一端は見えてくるそうだ。「組写真の中に起承転結があるとかではありません。そうやって言葉で置き換えられるものは広がりがなく、つまらない。写真からにじみ出てくるものを感じ取っていきたい」。

次のステップはブロック審査会
ブロック審査会は6月6日と7日にオンラインで行なう。審査の模様は7月中旬より、写真甲子園公式YouTubeでアーカイブ動画を公開予定だ。
写真甲子園2026 ブロック審査会進出校
■北海道ブロック (本戦大会進出枠1校)
北海道北広島高等学校、北海道札幌琴似工業高等学校、札幌創成高等学校、駒澤大学附属苫小牧高等学校、北海道大麻高等学校
■東北ブロック (本戦大会進出枠1校)
宮城県泉松陵高等学校、宮城県白石工業高等学校、宮城県仙台二華高等学校、東北学院高等学校、福島県立安積黎明高等学校
■北関東ブロック (本戦大会進出枠2校)
茨城県立笠間高等学校、江戸川学園取手高等学校、栃木県立鹿沼商工高等学校、群馬県立桐生清桜高等学校、新島学園高等学校、群馬県立富岡実業高等学校、群馬県立勢多農林高等学校、わせがく夢育高等学校、埼玉栄高等学校、埼玉県立豊岡高等学校
■南関東ブロック (本戦大会進出枠2校)
千葉県立君津高等学校、千葉県立国府台高等学校、渋谷教育学園幕張高等学校、第一学院高等学校千葉キャンパス、神奈川県立追浜高等学校、麻布大学附属高等学校、藤沢翔陵高等学校、神奈川県立逗子葉山高等学校、アレセイア湘南高等学校、神奈川県立座間総合高等学校
■東京ブロック (本戦大会進出枠2校)
東京都立武蔵村山高等学校、錦城高等学校、明治学院高等学校、正則高等学校、東京都立小石川中等教育学校、私立和光高等学校、獨協高等学校、トキワ松学園中学校高等学校、東京都立総合芸術高等学校、八王子学園八王子高等学校
■北陸信越ブロック (本戦大会進出枠1校)
中越高等学校、高岡第一高等学校、福井県立丹生高等学校、長野県伊那弥生ヶ丘高等学校、長野県長野高等学校
■東海ブロック (本戦大会進出枠2校)
岐阜県立岐阜総合学園高等学校、岐阜県立岐阜高等学校、鶯谷高等学校、静岡県立磐田南高等学校、静岡県立浜松江之島高等学校、豊川高等学校、愛知県立猿投農林高等学校、藤ノ花女子高等学校、愛知県立中村高等学校、愛知県立豊橋南高等学校
■近畿ブロック (本戦大会進出枠2校)
同志社女子高等学校、大阪府立生野高等学校、帝塚山学院高等学校、兵庫県立龍野北高等学校、和歌山県立田辺高等学校、大阪府立成城高等学校、大阪府立工芸高等学校、神戸国際大学附属高等学校、智辯学園高等学校、和歌山県立神島高等学校
■中国ブロック (本戦大会進出枠1校)
出雲北陵高等学校、島根県立平田高等学校、広島県立祇園北高等学校、広島県立庄原格致高等学校、山口県立萩商工高等学校
■四国ブロック (本戦大会進出枠1校)
香川県立坂出高等学校、愛媛県立今治北高等学校大三島分校、愛媛県立今治南高等学校、愛媛県立新居浜工業高等学校、愛媛県立新居浜西高等学校
■九州・沖縄ブロック (本戦大会進出枠1校)
八代白百合学園高等学校、鹿児島県立伊集院高等学校、鹿児島県立大島北高等学校、沖縄県立真和志高等学校、沖縄県立浦添工業高等学校
〈取材〉市井康延