Z7やD850で写し取った東京のなぎさに日本の今を見た 大西みつぐ写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」

大西みつぐさんの写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」が、2019年10月1日より開催される。

 

大西みつぐ写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」

 

1980年代後半、造成された葛西臨海公園一帯は人々で賑わっていた。ちょうどバブルのウォーターフロントブームの時だ。大西さんは中判カメラで湾岸の様子を写真に収めた。それがNEWCOASTシリーズの始まりである。

「人々はアメリカ西海岸のイメージを重ねていたのかもしれません。下町から引っ越してきた私は、当事者でありながら被写体と距離を保って客観的に現在を眺めてみようと思いました」

今回、発表するのはそのシリーズの新作に位置づけられる「なぎさの日々」。2015年以降にニコン「D850」や「Z 7」で撮影したもので、前作とは異なるアプローチをしている。

「そこにいる人々に、もう少し気持ちの上で近づこうと思いました。人恋しさといったものでしょうか。カメラを自分と他者の間にしっかり置いて撮影することはやはり大事なんだという当たり前の思いが大きくなったのです」

近年、人口なぎさにはインドやパキスタン、中国など外国人の姿がよく見られるようになった。東日本大震災後、平穏な時代が続くことを願いつつ、独自の眼差しで写し取った作品からは、日本の今が浮かび上がってくる。

 

大西みつぐ写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」

 

大西みつぐ写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」

会期 2019年10月1日(火)〜19日(土)
会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
住所 東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル2F
時間 12:00~19:00(土曜は17:00まで)
休館日 日曜・月曜
料金 無料
問い合わせ ふげん社(TEL 03-6264-3665)

■第22回太陽賞受賞作「河口の町」(1985年)ヴィンテージプリント+映像作品鑑賞会

10月5日(土)16:00~17:00、写真展会場にて。参加費1,500円、要予約。申し込みはふげん社へ。
https://fugensha.jp/events/20191001_ohnishi/

 

 

 

〈文〉鬼沢幸江