カメラの銘品とともに写真表現の変遷を辿る「カメラと写真家〜機材と表現の180年史〜」展

日本カメラ博物館は開館30周年記念特別展として「カメラと写真家〜機材と表現の180年史〜」を開く。会期は2019年10月29日から2020年3月22日。

 

カメラと写真家〜機材と表現の180年史〜

左上:ローライフレックススタンダードを構える名取洋之助
右上:ニコンSP 名取洋之助旧蔵品
左中:オリンパスペンFT ユージン・スミス旧蔵品 本人サイン入り
右下:アニバーサリースピードグラフィック
背景:飛行船ヒンデンブルク号の事故を伝える『Los Angeles Examiner』紙 1937年5月7日

 

2019年は初めてカメラが市販されて180年目の年。新たな写真表現は写真家の名とともに記憶されるが、それを支えたのはカメラの進化があったからでもある。本展ではカメラの発展がもたらした写真表現の変遷を、著名な写真家による作品とともに考察していく。

顕著な一例がパノラマカメラだ。ワイドな写真はこの特殊なカメラができたからこそ生まれたもので、この展示ではコダックのサーカットで撮った大阪万博の記録写真を紹介。また同館では著名写真家から寄贈されたカメラも所蔵し、そうしたレアな銘品も展示される。

カメラの機動性を飛躍的に高めたライカや、世界で初めてAFを搭載したジャスピンコニカなど、登場以前とその後では写真の世界が格段に変わった。そうしたカメラの機能を使った写真表現は、当時の雑誌や書籍で写真家が語っている。本展はそうした文献から一つ一つ拾い上げ、考察しまとめた労作でもあるのだ。

日本カメラ博物館の編集、執筆でこの展示の内容をまとめた書籍も制作。資料性が高く手軽な装丁で、国書刊行会より10月25日に発売される。

 

日本カメラ博物館 開館30周年特別展「カメラと写真家 ~機材と表現の180年史~」

会期 2019年10月29日(火)~2020年3月22日(日)
会場 日本カメラ博物館
住所 東京都千代田区一番町25 JCIIビル地下1階
時間 10:00〜17:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日休館)、2019年12月28日~2020年1月6日
料金 一般300円、中学生以下無料
問い合わせ 日本カメラ博物館(TEL 03-3263-7110)

 

 

 

〈文〉市井康延