花の奥に秘められたものを独自の技法で表現した森田雅章写真展「夢幻花」

森田雅章さんの写真展「夢幻花」が、2020年8月14日より開催される。

 

森田雅章写真展「夢幻花」

花の奥に秘められたものを

森田雅章さんは現在も取り組んでいるドキュメンタリーを出発点とし、のちに女性の「性」を表現、そして花にもカメラを向けてきた。花に対して見つめたのは、両性とも考えられる「性」である。1990年には写真展で性欲をテーマに作品を発表した。

「当時はまだ、花の写真はキレイでなければならない時代。僕の写真はあまり認められませんでした。でも、花はキレイなだけではない。その後も被写体の奥に秘められたものの表現を求めました。そんなとき、偶然にレンズの光軸をずらす撮影法を発見したんです」

森田さんは、「レンズリバース夢幻撮影法」と名づけたこの手法により、裸眼では見ることができない花の魅力を表現するようになる。柔らかなボケと芯のある映像を併せ持つのが特徴だ。「ドキュメンタリーの取材以外は、基本的に身近な花の撮影を日課にしています。撮りたくない日でも撮る。続けることで意外な発見があるものです」

花は日々、異なる姿を見せてくれると森田さんは語る。わずかな角度の差でも全く違って見える。そのときの自分にしか見えない花を捉えるのだと。

今までにない視覚と描写の花写真。一期一会の感動が、観る者の胸を打つ。

 

森田雅章写真展「夢幻花」

会期 2020年8月14日 (金) ~20日 (木)
会場 富士フォトギャラリー銀座 スペース3
住所 東京都中央区銀座1-2-4 サクセス銀座ファーストビル4F
時間 10:30〜19:00 (土・日・祝日は11:00~17:00 最終日は14:00まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ 富士フォトギャラリー銀座 (TEL 03-3538-9822)

 

 

 

〈文〉鬼沢幸江