時代に翻弄されつつ昔ながらの暮らしを営む集落を撮影した 豊田有希写真展「あめつちのことづて」

豊田有希さんの写真展「あめつちのことづて」が、2021年1月20日より開催される。

豊田有希写真展「あめつちのことづて」
集落で最後の一軒になった家の田植え © 豊田有希

 

熊本市に生まれ、独学で写真を始めた豊田有希さんは、フィルムカメラで撮影し、手焼きのプリント制作を続けてきたが、「山間地、半数に水俣病」と書かれた新聞記事をきっかけに、2012年から芦北町黒岩地区に通うようになった。

2015年には水俣市に移住し、2016年から黒岩集落で農作業の手伝いなどをしながら撮り続けた。このシリーズは、水俣病を巡る時代の波に翻弄されながらも、昔ながらの暮らしを営む集落を写し取った作品だ。畑仕事や祭り、食卓、そこに住む人々のポートレートを、未発表作品を含む約40点にまとめて展示する。

 

豊田有希写真展「あめつちのことづて」

会期 2021年1月20日 (水) 〜4月4日 (日)
会場 熊本市現代美術館 ギャラリーIII
住所 熊本県熊本市中央区上通町2-3
時間 10:00〜20:00
休館日 火曜 (2月23日は開館し翌24日休館、3月2日・9日は開館)
料金 無料
問い合わせ 熊本市現代美術館 (TEL 096-278-7500)

関連イベント

いずれも事前予約制。申し込みは熊本市現代美術館へ電話またはEメールにて。

アーティスト・トーク

日時 2021年4月3日 (土) 14:00〜15:00
会場 熊本市現代美術館 アートロフト
参加費 無料
定員 50名 (先着順)
出演 豊田有希

ドネーションブック『REBORN』発行記念トーク

豊田有希さんが中心となり、令和2年7月豪雨で水損した熊本県八代市坂本町に残るネガフィルムを、クリーニングしてデジタル化し保存、再プリントする「REBORNプロジェクト」。復活した水損写真やネガをまとめた記録写真集を写真展会期中に販売するほか、『REBORN』発行記念トークとして、熊本県球磨地域での被災・復興の状況や、川・ダムを巡る歴史や現在について語る。

日時 2021年2月14日 (日) 14:00〜15:00
会場 熊本市現代美術館 アートロフト
出演 豊田有希、溝口隼平 (リバーガイド「Reborn」主宰)、坂本桃子 (フリーライター / 坂本町出身)

水俣まち歩き

水俣病センター相思社スタッフが水俣のまちを案内。

日時 2021年3月14日 (日) 13:00〜17:00
集合場所 水俣駅前 (肥薩おれんじ鉄道) 現地集合・解散
定員 10名 (先着順)
参加費 3,000円

 

 

 

〈文〉鬼沢幸江