つながり続けるさまざまな生命と向き合う 福田健太郎写真展「生々流転」

福田健太郎さんの写真展「生々流転」が、2021年12月1日より開催される。

福田健太郎写真展「生々流転」

豊かな自然を次の世代へ

福田健太郎さんが今回発表するのは「生々流転」と題した作品だ。2012年の写真展「泉の森」以降に撮影したものを中心にまとめている。

「『泉の森』は水の循環を通して生命を見つめた作品ですが、今回はもう少し踏み込んで、地球上で絶えずつながっている多様な生命と向き合い、撮り進めてきた新しいシリーズになります」

コロナ禍では可能な限り、自然の中に身を置いたと福田さんは語る。そこにはただ、いつものように季節が流れていた。

「自分もちっぽけな生きものの一つであると、改めて感じた日々でした。この地球には人間だけでなく、いろんな命が蠢いている。森羅万象、不偏なものは何一つありませんが、できることなら自然を豊かなまま、次の世代に残していきたいと強く感じました」

写真展のテーマは「未来への希望」。さまざまな生きものが入り乱れる激しさを含め、静けさと同時にざわざわとした自然を表現した。9割以上が縦位置の作品で、人間が見ている世界の印象とは異なる緊張感を与えている。それらの作品から何を感じるのか。一人一人に未来への希望を問いかける。

福田健太郎写真展「生々流転」

福田健太郎写真展「生々流転」

会期 2021年12月1日 (水) 〜22日 (水)
会場 竹内敏信記念館 TAギャラリー
住所 東京都新宿区下落合3-20-4 竹内敏信記念館3F
時間 11:00〜19:00 (最終日は14:00まで)
休館日 日曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ 竹内敏信記念館 (TEL 03-3953-0431)
備考 観覧は事前予約制。申し込みはWEBサイトより。
http://takeuchi-zaidan.moon.bindcloud.jp/contact.html

 

 

福田健太郎

福田健太郎 (Kentaro Fukuda)

1973年、埼玉県川口市生まれ。竹内敏信氏の助手を経て、1997年より活動を開始。日本列島を主なフィールドに、生命に溢れる万物の姿を見つめ続けている。著書に『泉の森』『春恋し – 桜巡る旅』など多数。2010年より写真展を毎年開催している。
→ WEBサイト

 

〈文〉鬼沢幸江