女性霊媒師・イタコゆかりの地で“霊の眼差し”を表現した 和多田アヤ写真展「TALKING TO THE DEAD」

和多田アヤ写真展「TALKING TO THE DEAD」が、2022年4月17日まで開催される。

和多田アヤ写真展「TALKING TO THE DEAD」
© Aya Watada

■展示作品ギャラリー

 

和多田アヤさんは2021年9月、青森県に今なお残るイタコの伝統や日本人の民間信仰・霊魂観について、写真集の形で伝え遺すプロジェクトに参加し、イタコゆかりの地を訪れ撮影した。写真集には、最後の盲目イタコとして知られる90歳の中村タケさんの口寄せの記録も収められている。

本展では、自身の「喪」の体験を主題に作品を発表してきた和多田さんが、死者との対話を求めてイタコを訪ねる人々の心象風景や、霊の眼差しを思わせるような写真を展示する。物体の形状の類似や色彩の対比が見られる2枚を並置して見せることで、異なる次元にすむ存在とのコミュニケーションを表現。従来暗いイメージで語られがちだったこの世界観を、可能性と希望に満ちたものとして提示している。

写真展会場では、写真集の内容や制作プロセスなどをあわせて紹介。イタコ文化に関する専門家や有識者を招いた対談イベントも予定している。

和多田アヤ写真展「TALKING TO THE DEAD」

会期 2022年4月1日 (金) 〜17日 (日)
会場 TRUE ROMANCE ART PROJECTS
住所 東京都渋谷区神南1ー20-7 川原ビル4F
時間 11:00〜19:00
休館日 月曜・火曜
入場料 無料

トークイベント

■2022年4月3日 (日) 15:00〜

篠原匡さん (TALKING TO THE DEAD プロジェクト発起人 / ジャーナリスト / 蛙企画代表) と鵜飼秀徳さん (ジャーナリスト / 浄土宗 正覚寺住職) による対談。

■2022年4月9日 (土) 15:00〜

和多田アヤさんによる、作品にまつわるトーク。ゲスト未定。

 

 

和多田アヤ (Aya Watada)

1973年、東京生まれ。幼少期をタイ・バンコクで過ごす。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業後、渡仏。アルルのフランス国立写真学校レジデンスプログラムを修了。2009年から2012年、ドイツ・ベルリンにて活動。現在は東京を拠点としている。乳癌などの外科手術を控えた女性を対象としたヌード撮影を2012年より行っており、子どもや家族の肖像もライフワークとして継続している。
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〈文〉鬼沢幸江