現代の写真と絵画の関係を問う「写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」展

19世紀に普及し始めた写真は、絵画の変革にも影響を与えてきた。東京・京橋のアーティゾン美術館は「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」を開く。

写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
柴田敏雄《山形県尾花沢市》2018年 作家蔵

 

写真の普及と同時期に絵画には印象派が生まれ、写真も記録的な目的ではない絵画的な芸術表現が模索された。本展ではセザンヌの作品を起点に、現代の写真と絵画の関係を問う。

柴田敏雄さんと鈴木理策さんの作品は近代絵画に共通する造形思考があり、彼らにとってセザンヌの作品は「重要な参照」だったという。マティスやモネなどの作品も織り交ぜながら、2人の作品の特異性と魅力を探る。

写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
鈴木理策《サンサシオン 09, C-58》2009年 作家蔵

■展示作品より

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策
写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策

会期 2022年4月29日 (金・祝) 〜7月10日 (日)
会場 アーティゾン美術館
住所 東京都中央区京橋1-7-2
時間 10:00〜18:00 (4月29日を除く金曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜
入場料 WEB予約1,200円、当日1,500円、大学・専門学校・高校生無料 (要WEB予約)、中学生以下無料 (予約不要)
問い合わせ アーティゾン美術館 (TEL 050-5541-8600 / ハローダイヤル)
WEB予約 https://www.artizon.museum/exhibition_sp/shibatasuzuki/

 

 

柴田敏雄 (Toshio Shibata)

1949年、東京生まれ。東京藝術大学大学院油画専攻修了後、ベルギーのゲント市王立アカデミー写真科に入り、写真を本格的に始める。日本各地のダムやコンクリート擁壁などの構造物のある風景を大型カメラで撮影し、精緻なモノクロプリントで発表。2000年代よりカラーの作品にも取り組み始め、その表現の領域を広げる。国内外多数の美術館に作品が収蔵されている。

鈴木理策 (Risaku Suzuki)

1963年、和歌山県新宮市生まれ。東京綜合写真専門学校研究科卒業。地理的移動と時間的推移の可視化を主題にシークエンスで構成した第一写真集『KUMANO』を1998年に刊行。一貫して「見ること」への問題意識に基づき、熊野、サント=ヴィクトワール山、桜、雪、花、ポートレート、水面などのテーマで撮影を続け、展覧会や写真集により作品発表を重ねている。

 

〈文〉市井康延