日常の中の曖昧さに“いま”の時代性を見いだす 蓮井元彦写真展「Midtone」

蓮井元彦さんの写真展「Midtone」が、2022年7月5日まで開催される。

蓮井元彦写真展「Midtone」
Midtone #13

■展示作品ギャラリー

 

雑誌や広告の分野でも活躍する写真家・蓮井元彦さんの展示が、名古屋で開催中だ。蓮井さんは、プライベートな作品制作として、スナップやポートレートの写真を多く発表している。今回の展示テーマである「ミッドトーン」とは、色調の中間域を指す言葉。色だけでなく、さまざまな事象についても、白と黒の間のグラデーションの中にこそ、見出すべきものがあると蓮井さんは考えている。

今回の写真展は、そうした日常の中の曖昧さに目を向けたもの。写真編集者・池谷修一さんが企画・キュレーションを担当し、植物を中心として、街や人の姿など、陰りを帯びた作品群から「いま」という時代性を表現する展示となっている。

蓮井元彦写真展「Midtone」

会期 2022年6月10日 (金) 〜7月5日 (火)
会場 BD Gallery
住所 愛知県名古屋市中区大須3-23-24 blues dress L’ESPRIT NOUVEAU 2F
時間 13:00~20:00
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ BD Gallery (TEL 052-262-5140)

 

 

蓮井元彦 (Motohiko Hasui)

1983年生まれ、東京都出身。2003年に渡英し、Central Saint Martins Art and Designにてファウンデーションコースを履修した後、London College of Communicationにて写真を専攻。卒業後、2007年帰国。以降、東京を拠点に活動する。2013年、4年間の日常生活を記録したスナップ写真からなる写真集『Personal Matters』(日本語訳「私事」) をイギリスの出版社Bemojakeより出版。その後、数冊の私家版小冊子の発表を経て2019年、続編の『Personal Matters Volume II』(Bemojake) を出版。2020年にはモノクロのスナップ写真をまとめた写真集『for tomorrow』(LibroArte)、2021年にはコロナ禍の沈んだ空気の中で都市を題材にした写真集『写真はこころ』(Printed Union) を出版する。コミッションワークにおいては雑誌や広告のほか、2018年に吉岡里帆写真集『so long』を撮影。G20大阪サミット2019では、京都・東福寺で行われたティーセレモニーに際し制作された図録の撮影を手がける。
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〈文〉高橋佐智子