著名写真家を多数輩出したキヤノン写真新世紀の歩みを振り返る「写真新世紀30年の軌跡展-写真ができること、写真でできたこと」

数々の写真家を世に送り出し、多くの写真家に創作の刺激を与えてきた写真新世紀が役割を終えた。その歩みを振り返る「写真新世紀30年の軌跡展-写真ができること、写真でできたこと」が、キヤノンギャラリーSと東京都写真美術館で開かれる。

写真新世紀30年の軌跡展-写真ができること、写真でできたこと

 

約半年間、WEBサイトで「もう一度見たい作品」を一般投票で募った。東京都写真美術館では、この投票によって選ばれた歴代受賞者10名の受賞作品を展示する。面白いことにグランプリ受賞者は中村ハルコさんのみで、優秀賞8名 (青山裕企さん、新垣尚香さん、大森克己さん、奥山由之さん、高島空太さん、蜷川実花さん、長谷波ロビンさん、浜中悠樹さん) と特別賞1名 (澤田知子さん) という結果だった。

また、最後となった2021年度グランプリ受賞者の賀来庭辰さんによる新作個展「夜」を開く。子どもの誕生を待つ友人を訪ね、移動する間の夜の記録で構成した作品だ。

写真新世紀30年の軌跡展-写真ができること、写真でできたこと
1992年、第1回「写真新世紀展」の会場風景。この年は木下伊織さんの「jamais-vu —未視感—」がグランプリを受賞した。

キヤノンギャラリーSでは、1992年から2021年までの歴代グランプリ・準グランプリ受賞者から、31組の受賞作品展を行なう。第1回グランプリの木下伊織さんや、熊谷聖司さん、ヒロミックスさん、野口里佳さんら、今も活躍する写真家たちが当時、どんな作品を制作していたのか。時間が経過したことで、評価、見え方も変わっているはずだ。

さらに、両会場では多彩な関連イベントも開催する。

写真新世紀30年の軌跡展-写真ができること、写真でできたこと

キヤノンギャラリーS

会期 2022年10月13日 (木) ~11月22日 (火)
会場 キヤノンギャラリーS
住所 東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1F
時間 10:00〜17:30
休館日 日曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ キヤノンギャラリーS (TEL 03-6719-9021)

東京都写真美術館

会期 2022年10月16日 (日) ~11月13日 (日)
会場 東京都写真美術館 B1F展示室
住所 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間 10:00〜18:00 (木・金曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜 (祝日の場合は開館し、翌平日休館)
入場料 無料
問い合わせ 東京都写真美術館 (TEL 03-3280-0099)

関連イベント

いずれも参加無料、事前予約制。申し込み方法は写真新世紀のWEBサイト参照。

一般投票で選ばれた歴代受賞者および2021年グランプリ受賞者によるアーティスト・トーク

日時 2022年10月16日 (日) 15:00~17:30
会場 東京都写真美術館 1Fホール
定員 先着90名

歴代グランプリ / 準グランプリ受賞者によるアーティスト・トーク

日時 2022年10月29日 (土) 13:30~ (調整中)
会場 キヤノンSタワー3F キヤノンホールS
定員 先着100名

歴代受賞者によるトークショー

日時 2022年11月5日 (土) 15:00~16:30
会場 東京都写真美術館 1Fホール
定員 先着90名
出演 大森克己 (1994年優秀賞)、佐内正史 (1995年優秀賞 / 審査員)、奥山由之 (2011年優秀賞)

歴代審査員によるトークショー / 写真レクチャー

日時 2022年11月6日 (日) 14:00~15:30、16:00~17:30
会場 東京都写真美術館 1Fホール
定員 各回先着90名
出演
14:00~15:30 飯沢耕太郎 (写真評論家)、南條史生 (美術評論家)
16:00~17:30 野口里佳 (写真家)

歴代受賞者によるスライド&トークショー

日時 2022年11月13日 (日) 15:00~17:30
会場 東京都写真美術館 1Fホール
定員 先着90名

 


 

〈文〉市井康延