マン・レイが写し出した女性たちに焦点を当てた企画展「マン・レイと女性たち」

写真史を語るとき、必ず重要な写真家として登場するマン・レイ。その創作の軌跡をたどる企画展「マン・レイと女性たち」が神奈川県立近代美術館 葉山で開かれる。

企画展「マン・レイと女性たち」
《リー・ミラー (ソラリゼーション)》 1929年頃 ゼラチン・シルバー・プリント (後刷) 個人蔵
Courtesy Telimage, Photothèque Man Ray, Paris/ © MAN RAY 2015 TRUST/ ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 G2698

 

マン・レイは自由な発想でイメージを広げた作品を制作したほか、レイヨグラフやソラリゼーションなど新たな写真技法も生んだ。

ニューヨークではマルセル・デュシャンに影響を受け、彼の誘いでパリに戻る。職業写真家として活動を行ない、ピカソ、マックス・エルンストら数々のシュルレアリストたちと親交を深め、彼らの作品やポートレートを撮影した。

そうした作家とともに、マン・レイの創作の源になったのは女性たちの存在だ。歌手でモデルだったモンパルナスのキキをはじめ、アシスタントだったリー・ミラー、ダンサーでモデルのジュリエット・ブラウナーが重要なパートナーとなる。

本展ではニューヨーク、パリ、ハリウッド、そして晩年を過ごしたパリの4章で構成し、約240点の作品を紹介する。

また、日本のシュルレアリスム運動とマン・レイとの関わりなどを考察する特集展示「マン・レイと日本」のほか、「マン・レイとその時代」と題した公開講座も開く。

マン・レイと女性たち

会期 2022年10月22日 (土) 〜2023年1月22日 (日)
会場 神奈川県立近代美術館 葉山
住所 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
時間 9:30〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜 (1月9日は開館)、12月29日〜1月3日
入場料 一般1,200円、20歳未満・学生1,050円、65歳以上600円、高校生100円
問い合わせ 神奈川県立近代美術館 葉山 (TEL 046-875-2800)

県立社会教育施設公開講座「マン・レイとその時代」

各回とも逗子文化プラザ市民交流センターにて、定員60名 (先着順)、受講料1,000円。申し込みはWEBサイトより。
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/event/2022-11-05

  1. モード、デザイン、時代の風
    日時 : 2022年11月5日 (土) 12:40〜14:40
    講師 : 小池一子 (クリエイティブ・ディレクター)
  2. マン・レイと女性たち
    日時 : 2022年11月26日 (土) 12:40〜14:40
    講師 : 巖谷國士 (本展監修者 / 仏文学者 / 美術批評家 / 明治学院大学名誉教授)
  3. サティの眼から見たマン・レイ
    日時 : 2022年12月10日 (土) 12:40〜14:40
    講師 : 青柳いづみこ (ピアニスト・文筆家 / 大阪音楽大学名誉教授)
  4. マン・レイと日本の前衛写真
    日時 : 2022年12月17日 (土) 12:40〜14:40
    講師 : 飯沢耕太郎 (写真評論家)
  5. マン・レイとデュシャンの回転扉−あるいは写真とオブジェ
    日時 : 2022年12月25日 (日) 12:40〜14:40
    講師 : 光田由里 (美術評論家 / 多摩美術大学教授・アートアーカイヴセンター所長)

 

 

〈文〉市井康延