急逝後も多くのファンを魅了する写真家・星野道夫の旅をたどる写真展「悠久の時を旅する」東京展

亡くなって四半世紀以上が経った今も多くのファンを持つ写真家・星野道夫さんの写真展「星野道夫 悠久の時を旅する」東京展が東京都写真美術館で開かれる。

星野道夫写真展「悠久の時を旅する」
ホッキョクグマ カナダ、ハドソン湾

■展示作品ギャラリー

 

2022年は星野さんの生誕70年に当たる。エスキモーの村を写した1枚の空撮写真が彼の人生を変えた。その村に強く引かれ、村長に手紙を送り、20歳の夏休みには約3か月間をアラスカで過ごした。

本展ではそのときの手紙から始まる星野道夫の物語を綴る。アラスカのグリズリーを追う中で、野生動物の生態や自然とともに生きることを学んだ。次のテーマに選んだムースからは、その狩猟に携わるアサバスカンインディアンの人々の暮らしを知った。

アラスカで出会った人々、動物、自然が彼の感性を研ぎ、思索を深めさせていく。エスキモーたちの創世神話や歌などをたどり、人間が生きていくことの意味を探求し続けた。その想いは1996年8月、取材中のカムチャッカ半島でヒグマに襲われ、途絶える。

以降、彼の作品を通し、その意志を継ぐ人たちが数多く生まれている。未完の作品群と貴重な資料とともに、「自然と人の関わり」を追い続けた星野道夫の旅を展観する。

会期中の12月27日には写真と音楽と言葉によるイベント「旅をする音楽」を開く。

星野道夫写真展「悠久の時を旅する」東京展

会期 2022年11月19日 (土) ~2023年1月22日 (日)
会場 東京都写真美術館 B1F展示室
住所 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間 10:00〜18:00 (木・金曜は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜 (祝日の場合は開館し、翌平日休館)、12月29日〜1月1日、1月4日
入場料 一般1000円、学生800円、中高生・65歳以上600円
問い合わせ 東京都写真美術館 (TEL 03-3280-0099)
オンライン予約
http://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4311.html

関連イベント「旅をする音楽」星野道夫 × haruka nakamura

開催日 2022年12月27日 (火)
時間 ①15:00~16:00 ②18:30~19:30
会場 東京都写真美術館 1Fホール
演奏 haruka nakamura
朗読 本田慶一郎
ゲスト 星野直子 (星野道夫事務所代表)、田中博教 (株式会社ゴールドウイン)、
定員 各回190名
参加費 4,800円 (展覧会入場券付)
申し込み 2022年11月21日 (月) 10:00よりWEBサイトにて
https://www.harukanakamura.com/news/hoshinomichio-live

 

 

星野道夫

星野道夫 (Michio Hoshino)

1952年、千葉県市川市生まれ。19歳のときに目にしたエスキモーの村の空撮写真に惹かれ、村長宛に手紙を書く。20歳の夏休みにアラスカに約3カ月滞在。帰国後、アラスカへの思いが募り写真家の道を選ぶ。慶應義塾大学卒業後、動物写真家・田中光常氏の助手を2年間務める。1978年、アラスカ大学野生動物管理学部に入学。以後、アラスカの自然と人々をテーマに写真と文章で記録し発表。1996年8月、カムチャツカ半島で取材中にヒグマに襲撃され急逝。1986年『グリズリー』(平凡社) で第3回アニマ賞受賞、1990年『Alaska 風のような物語』(週刊朝日連載) で第15回木村伊兵衛写真賞受賞、1999年度日本写真協会賞特別賞受賞。
→ WEBサイト

 

〈文〉市井康延