過去から何を学びどんな未来を描くのか? “まえ”と“あと”に着目した展覧会「Before / After」

広島市現代美術館のリニューアルオープン記念特別展「Before / After」が、2023年3月18日より開催される。

広島市現代美術館リニューアルオープン記念特別展「Before / After」
シリン・ネシャット《Land of Dreams》2019
© Shirin Neshat
Courtesy of the artist and Gladstone Gallery

 

広島市現代美術館は約2年3か月かけて改修。本展は改修した美術館という場を使った企画となる。変わった場所もあれば、以前のままに見える所もある。このように何かがきっかけとなって生じる、さまざまな「まえ」と「あと」の現象や状況に着目する。

私たちは過去から何を学びどのような未来を描いているのか。社会の変化やほころび、隠された過去や歴史を敏感に察知し、アーティストたちは作品として発表してきた。劣化、再生、原子力、爆発、夢、楽園など、さまざまなキーワードを散りばめながら、空間を構築している。

展示は同館のコレクションを軸にした約100点。写真家では1975年から広島をテーマに撮影を続けている写真家の土田ヒロミさんをはじめ、石内都さんは本展のための新作を発表する。

イランの視覚芸術家であるシリン・ネシャットさんは、夢と現実をテーマにした映像と複数の写真からなる大規模なインスタレーション《Land ofDreams》を展観。そのほか笹岡啓子さん、下道基之さん、細江英公さん、森村泰昌さんなど、45名/組の作家が参加する。

会期中の3月25日と26日には、トヨダヒトシ+広島市立宇品中学校美術部「映像日記 / スライドショー」を行なう。トヨダさんはプリントではなく、35mmフィルムによるスライド上映で作品発表を続ける写真家だ。

■出品作家

靉嘔、石内都*、伊藤公象、井上覚造、大岩オスカール、岡本太郎、デニス・オッペンハイム、オノ・ヨーコ、河原温、コウミユキ*、笹岡啓子、鴫剛、四國五郎、下道基行、新生タイポ・プロジェクト (岡澤慶秀、岡本健+)、SUPERFLEX、菅井汲、ナンシー・スペロ、髙橋銑*、高山良策、竹村京*、田中功起、田村友一郎*、蔡國強、土田ヒロミ、殿敷侃、毒山凡太朗*、2m26、シリン・ネシャット、ダラ・バーンバウム、浜田知明、ジョン・バルデッサリ、平田尚也*、吹田文明、キース・ヘリング、細江英公、松澤宥、南薫造、宮川啓五、ヘンリー・ムーア、森村泰昌、ヤノベケンジ、横山奈美*、若林奮、和田礼治郎*

*のアーティストは本展のために新作を発表。

リニューアルオープン記念特別展「Before / After」

会期 2023年3月18日 (土) 〜6月18日 (日)
会場 広島市現代美術館
住所 広島県広島市南区比治山公園1-1
時間 10:00〜17:00 (入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜
入場料 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生・65歳以上 800円、中学生以下無料
問い合わせ 広島市現代美術館 (TEL 082-264-1121)

主な関連イベント

■オープン記念アーティストトーク

日時 2023年3月18日 (土) 14:00〜16:00
会場 展覧会会場 (A展示室前集合)
出演 石内都、コウミユキ、髙橋銑、竹村京、田村友一郎、毒山凡太朗、平田尚也、和田礼治郎 (予定)

■トヨダヒトシ+広島市立宇品中学校美術部「映像日記 / スライドショー」

日時 2023年3月25日 (土) 〜26日 (日) 10:30〜12:00
会場 地下1階ミュージアムスタジオ
講師 トヨダヒトシ
定員 各日70名 (先着順)
参加費 無料

 

 

〈文〉市井康延