“写真の町東川賞”受賞写真家5人の写真展「第39回写真の町東川賞受賞作家作品展」

東川町国際写真フェスティバルの一環として、「第39回写真の町東川賞受賞作家作品展」が2023年7月29日より開催される。

第39回写真の町東川賞受賞作家作品展

 

「第39回写真の町東川賞」国内作家賞は原美樹子さんに決まった。51名の候補から5名に絞り込まれ、僅差で決した。当初より日常の断片を中判のクラシックカメラで撮影する手法を続け、2022年、写真集『Small Myths』を出版した。「ゆっくりと波紋のように広がり続ける作品の力が今回の受賞に結実した」と審査会委員の上野修さんは評する。

原さんはカメラで世界と向き合い、気づくと生きることと撮ることが分かち難くなったと話す。写真を見た人が何かを感じ取ってくれることが「結果、写真家としての私を成り立たせている」と言う。

新人作家賞は藤岡亜弥さんを選んだ。59名の候補から最終段階では石川竜一さんと藤岡さんが残り、白熱した議論が続いた。展示に加えてSNSなども活用し、実直に自作を問い返して思考を深めていく作者の「しなやかなスタンス」が決め手となった。「私の写真はいつも振り返ってばかりで、生産性を疑いますが、見てくれる人がいることで次に進めます」と藤岡さんは受賞の喜びを語っている。

特別作家賞は石川直樹さんに。北の大地をテーマにした写真集『SAKHALIN』(2015年) や『知床半島』(2017年) などを制作したほか、知床の情報を発信するプロジェクト「写真ゼロ番地 知床」などを手掛けている。

飛彈野数右衛門賞には鉄道写真の第一人者である広田尚敬さん、海外作家賞は対象国のペルーからアストリッド・ヤーンセンさんが選ばれている。

なお、初日と2日目は受賞者などを招きレセプション、受賞作家フォーラムなどが行なわれる。

第39回写真の町東川賞受賞作家作品展

会期 2023年7月29日 (土) 〜8月28日 (月)
会場 東川町文化ギャラリー
住所 北海道上川郡東川町東町1-19-8
時間 10:00〜17:00 (初日は15:00〜21:00)
休館日 会期中無休
入場料 一般100円、中学生以下無料 (7月29日〜30日は無料開放)
問い合わせ 東川町文化ギャラリー (TEL 0166-82-2111)

関連イベント

■授賞式
7月29日 (土) 13:10〜 東川町農村環境改善センター

■テープカット
7月29日 (土) 15:00〜 東川町文化ギャラリー 前庭

■受賞作家フォーラム
7月30日 (日) 13:00〜17:30 東川町文化ギャラリー

 

 

〈文〉市井康延