幻の写真から近作まで、ポートレートで歩みを示す 立木義浩写真展「肖像/時」

東京工芸大学は創立100周年記念展として、写大ギャラリーで立木義浩写真展「肖像/時」を企画した。

立木義浩写真展「肖像/時」
「親と子の情景」1988~1990年

 

立木さんは東京工芸大学の卒業生の一人。本展は立木さんの60年近いキャリアからポートレートに絞った。20歳のとき、写真雑誌に掲載された幻の写真から近作まで約70点を展観し、稀有な写真家の歩みが示される。

会期中の9月30日には、立木さんと写真編集者・池谷修一さんのトークイベントも開催する。要予約。

なお、東京工芸大学は写真器材の販売店である小西本店 (現コニカミノルタ) が、写真教育の重要性を考えて1923年に創設した小西写真専門学校が前身。現在、創立100周年特設サイトも公開している。

立木義浩写真展「肖像/時」

会期 2023年9月8日 (金) ~11月1日 (水)
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
住所 東京都中野区本町2-4-7 東京工芸大学5号館 (芸術情報館) 2F
時間 10:00〜19:00
休館日 木曜・日曜・祝日 (10月8日〜9日は開館)
入場料 無料
問い合わせ 東京工芸大学 (TEL 03-3372-1321)

トークイベント

日時 2023年9月30日 (土) 13:30〜
日時 立木義浩、池谷修一 (写真編集者)
参加費 無料
申し込み 写大ギャラリーへ電話にて (TEL 03-5371-2694)

 

 

立木義浩 (Yoshihiro Tatsuki)

1937年、徳島県徳島市の写真館に生まれる。母・立木香都子は、NHK朝の連続テレビ小説『なっちゃんの写真館』(1980年) のモデルとしてその半生を描かれたことで知られる。1958年、東京写真短期大学 (現・東京工芸大学) 技術科卒業。その後、広告制作会社アドセンター設立時にカメラマンとして参加。1965年『カメラ毎日』で掲載された「舌出し天使」が話題となり、一躍世間の注目を集める。1969年、フリーランスに転身。女性写真の分野を中心に、多くの著名人を撮影。同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続け、多くの作品を世に送り出す。その一方、広告・雑誌・出版など幅広い分野で活動し、現在も現役カメラマンとしてシャッターを切る。主な受領歴に、日本写真批評家協会新人賞 (1965年)、日本写真協会賞年度賞 (1997年)、日本写真協会賞作家賞 (2010年)、文化庁長官表彰 (2014年) などがある。

 

〈文〉市井康延