写真家人生38年の視点をたどる 高砂淳二写真展「地球と出会う旅」

写真家として38年間活動してきた高砂淳二さん。100点を超える作品でその足跡を振り返る写真展が、高砂さんの出身地・宮城県石巻市で開催中だ。

高砂淳二写真展「地球と出会う旅」

 

「水中写真から始めて生き物に興味を持ち、旅する中でハワイの先住民の人たちの自然観を知って、自然との付き合い方について深く考えるようになった」という高砂さん。展示は、旅をする中で変化してきた写真家の視点をたどりながら、自然の魅力を味わうことができる構成となっている。

「石巻では、震災によって海に恐怖を感じたり、自然との付き合い方がわからなくなってしまったという話もよく聞きました。私も同じ思いをしましたが、人を癒やすのもまた自然。この展示によって、少しでも海や山への思いを取り戻してもらえたら」。そんな思いもあるという。

さらには「若い人があまり旅をしない、今の風潮も気になります。この写真展が、地球の大きさ、自然と自分とのつながりを感じる旅へのきっかけになれば」との思いも込められている。会場には撮影行を通して綴られた言葉も、写真とともに展示されている。

作品の多くは約1mの大判プリントで、中には3mを超える作品もある。会場をいっぱいに使った展示で、地球の魅力を感じてみよう。

高砂淳二写真展「地球と出会う旅」

高砂淳二写真展「地球と出会う旅」

会期 2023年12月2日 (土) 〜2024年2月25日 (日)
会場 石巻市博物館 企画展示室
住所 宮城県石巻市開成1-8 マルホンまきあーとテラス内
時間 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜 (祝日の場合は翌日休館)・12月28日~1月4日
入場料 一般600円、高校生300円、小中学生200円
問い合わせ 石巻市博物館 (TEL 0225-98-4831)

 

 

高砂淳二

高砂淳二 (Junji Takasago)

1962年、宮城県石巻市生まれ。ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て、1989年に独立。世界中の国々を訪れ、海の中から生き物、虹、風景、星空まで、地球全体をフィールドに撮影活動を続けている。テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然のこと、自然と人間の関係、人間の役割などを、幅広く伝え続けている。自然写真の世界最高峰といわれる「Wildlife Photographer of the Year」2022年の自然芸術部門で最優秀賞を受賞。みやぎ絆大使、いしのまき観光大使。海の環境NPO法人「The Oceanic Wildlife Society」理事。
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〈文〉高橋佐智子