機材レポート

IXYデジタル“究極の仕様”…次の展開は?『キヤノンIXYデジタル2000IS』

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前モデルのIXYデジタル1000と同様、外装にチタン素材を採用。その独特の質感&フォルムは、フラッグシップモデルに相応しいもの。ボディサイズの幅は、他のIXYデジタルよりも少し長め。

 『キヤノンIXYデジタル2000IS』は、IXYデジタルシリーズの最上位機種である。連続した曲面で全体を構成する「カーバチャーデザイン」を採用し、ボディ素材には堅牢かつ耐蝕性に優れた純チタンを採用。その“佇まい”は、まさに最上位機種に相応しいモノ。…といっても、カーバチャーデザインは3代前の「IXYデジタル600」から採用されてるし、純チタン素材も前モデル「IXYデジタル1000」から採用されてるから、あまり新鮮さは感じないけどねー。

 それでも、IXYデジタル1000には搭載されてなかった光学手ブレ補正機構「IS」が搭載されたのはウレシイし、独立した再生ボタンが設けられたのも便利。しかも、光学ズームの倍率も、3倍から3.7倍に引き上げられている。そう、望遠側にズームした際に「もう一伸びする」感覚があるんだよねー。

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少し前に撮影したキンモクセイの花。133ミリ相当の望遠端だと、開放F値が5.8と暗めになるのが残念。でも、効果の高い光学式手ブレ補正「IS」のおかげで、遅めのシャッター速度でもブレなくシャープに写せた。 ◆キヤノンIXYデジタル2000IS 133ミリ相当で撮影 Pモード -0.7補正 f5.8 1/20秒 WB太陽光 ISO200 JPEG

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こうやって上から見ると、かなり丸みを帯びたボディなのがわかる。でも、底部分も丸みを帯びてるのは少し困るナァ。芝やじゅうたんなど軟らかい場所に置いた場合に不安定になるからサ…。

 画質も最上位機種に相応しい。他社の同クラスの1200万画素機と比べても、ずば抜けてシャープで高精細! まあ、周辺部は少しアマくなるけど(IXYデジタルシリーズの共通のクセ)、画面の主要部分の画質は、同社の「パワーショットG9」に迫るハイレベルなものである。

 この他、約23万画素の高精細な「クリアライブ液晶」の採用や、フェイスキャッチテクノロジー、顔認識対応フォーカスチェッカー、フレームサイズ変更可能な1点AiAF、1024×768のラージ動画…などなど、高度な機能がてんこ盛り! そう、広角側が28ミリ相当じゃないのと(36ミリ相当)、マクロモードの最短距離が5㌢と平凡(IXYデジタル810ISは2㌢)な点を除けば、スペック的には最も充実したモデルなのである。

 まあ、個人的には「ちょっと面白みに欠けるかナ」とも感じる。「カーバチャーデザイン&チタン」の外装は、キライじゃないけど“見飽きた感”は否めない。同じデザイン&素材なら、もう少し色を変えるとかの工夫は欲しい。そう、カラーバリエーションで「ブラック」とか欲しいねぇ~。そして、最上位モデルらしく“脱プログラム専用”も目指して欲しい。MFモードと、マニュアル露出(現在のマニュアルモードではなく、絞りとシャッターが自由に設定できるマニュアルね)を搭載するだけで、これまで以上に“最上位らしいモデル”になると思うけどね。

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感度設定がオートだと、状況に応じて自動的に感度がISO200までアップする。さらに感度がアップする「高感度オート」もあるけど、画質を考慮するならオートで使った方が無難だね。 ◆キヤノンIXYデジタル2000IS 133ミリ相当で撮影 Pモード f5.8 1/160秒 WBくもり ISO200 JPEG

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よく買物をする新宿西口の“アノ店”の横から、夕暮れのビル群を撮影。手ブレ補正機能の有り難さを実感する場面であ~る。 ◆キヤノンIXYデジタル2000IS 36ミリ相当で撮影 Pモード -1補正 f2.8 1/10秒 AWB ISO200 JPEG