機材レポート

上位モデルに迫る画質&進化した画質設定『ペンタックスK200D』~詳細編~

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新ロゴの「PENTAX」が新鮮…というか、まだ少し慣れない感じだネ(苦笑)。基本スタイルはK100D Superを踏襲し、画質や機能はK10Dに近づいて…と、なかなか“オイシイ仕様”になっているK200D。

 え~と、日曜日のうちにアップする予定だった『ペンタックスK200D』の「~詳細編~」ですが、不覚にも月曜日の深夜になっちゃいましたネェ。実は、日曜の夕方から風邪の症状がドドッと出て、夕食を済ませると19時くらいから寝込んじゃったんですよ。どうもスイマセンでした…。では、仕切り直しということで!

 ご存知のとおり、ペンタックスのデジタル一眼レフは「K100D」のヒットで活気を取り戻した。撮像センサーの有効画素数は「610万画素」と平凡ながら、手頃な価格で「手ぶれ補正機構SR」を搭載した点が高く評価されたのである。そして、次の「K100D Super」では、デジタル一眼レフの宿命である“センサーへのゴミ付着問題”に対して「ダストリムーバルDR」で対処。さらに安心感の高いカメラへと進化した。また、前の*istDシリーズからの特長である、携帯性に優れた小型軽量ボディや、使用電源が単3形電池(4本)、といった点も、ユーザーに好意的に受け入れられた。

 こういった特長を受け継ぎながら、さらに高性能化・多機能化されたのが『ペンタックスK200D』である。他メーカーのエントリーモデルが高画素化(1000万画素や1200万画素)されるなか、K200Dも有効画素数が1020万画素まで大幅にアップ!! でもって、14ビットA/D変換や画像処理エンジン「PRIME」を採用。そう、これら絵作り(描写)上の基本的な部分が、これまでの上位機種「K10D」に追いついたのである(K10Dは22ビットA/D変換だが)。今回使用したK200Dは、まだ「ベータ機」なので、画質について詳しく触れることはできないが、610万画素から1020万画素にアップしたということで、上位モデルK10D並の細密な描写が得られるのは間違いない。また、RAWモードで「JPEG同時記録」が可能になったのもウレシイ。

 画質の調整に関して言えば、これまでのK100D SuperやK10D以上に調整幅が広くなっている。従来は『画像仕上』という機能があり「鮮やか」と「ナチュラル」の2通りから選択していた。これが、K200Dや同時デビューの上位モデルK20Dでは『カスタムイメージ』という機能になり、「鮮やか」「ナチュラル」「人物」「風景」「雅(MIYABI)」「モノトーン」の6通りから選択できるようになった。この中では、やっぱ「雅(MIYABI)」という名称が気になるねぇ。この新モードの色傾向は「色彩豊かな和の世界。染料インクのような鮮やかな仕上げ」とのこと。…何だかいまいちピンときませんが(苦笑)。要は「色鮮やかなモード」ということ。選択肢が多いのはイイことだが、このクラスの製品を選ぶユーザーだと、撮影現場で迷う場合も出てくるだろう。「鮮やか、風景、雅(MIYABI)。この中からどれを選べばイイのか?」ってね。まあ、何度も試し撮りをしなくても、デジタルプレビュー機能でカスタムイメージの効果を確認しながらモード変更や調整ができるから、意外と調整は面倒くさくないけどねー。ただし、液晶モニターの表示は色再現が派手なので(この傾向は他のペンタックスの機種と同様)、パソコンモニターの表示と見比べておく必要はある。ちなみに、液晶モニターのサイズが2.5型から2.7型にアップしたが、さほど「大きくなったな」とは感じなかった。まっ、並べて見たら違うんだろうけどネ。

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これが『カスタムイメージ』の設定画面。彩度、色相、コントラスト、シャープネス・ファインシャープネス、の4つの調整スケールとは別に、色傾向が直感的に把握できるレーダーチャートも表示される。このチャート表示はイイね~!

 画質に関しては、上位モデルK10Dに並んだ格好になる(画質調整に関してはK10Dよりも上)。だが、操作性に関しては、後電子ダイヤル1つのK200Dよりも、前後2つの電子ダイヤルを装備するK10Dに軍配が上がる。K10DやK20Dなら、カスタム設定で電子ダイヤルの機能を変更できるので、露出補正ボタンを押さずに直接ダイヤル操作で露出補正ができたりする。1ダイヤル式のK200Dには、そういう芸当はない。ごくフツーに「露出補正ボタン+電子ダイヤル」で露出補正をおこなう。この露出補正ボタンが、ちょっと操作しにくいんだよね。シャッターボタンの左斜め下(マウント面を上にして見た場合)という配置は悪くないけど、ボタン自体が少し小さい。もう少し大きめにして凹凸をつければ、ファインダーを覗いた状態で探り当てやすいと思う。

 連続撮影のスピードは、K100D Superと同様の「約2.8コマ/秒」。上位モデルのK10DやK20Dは「約3コマ/秒」だから、数値上の差はあまり大きくない。でも、K200Dのシャッターの感触や音質は、K10Dとは少し違う感じがする(ボクはK10Dユーザーだから感じるのヨ)。スピードが遅いおかげだろうか? K200Dのシャッターはソフトで優しい感触&音質なのだ。もちろん、スペック的には“もう一息”なんだけど、感触や音質といったスペックでは表記できない部分を重要視する人も多い。そう、被写体や撮影場所によっては、シャッター音が気になる事もあるからね。

 現在、エントリークラスでは唯一となる「防塵・防滴ボディ」と「本体電源が単3形電池」という仕様。そして、有効画素数1020万画素CCDを採用、RAW+JPEG同時記録可能(JPEGの圧縮率も選べる)、手ぶれ補正機構SR搭載、ダストリムーバル機構DR+世界初の新機能「ダストアラート」搭載…などなど、エントリークラスとしては十分すぎる機能&仕様を持つペンタックスK200D。そんなニューモデルの予想価格は約9万円。新設計の標準ズーム「DA18-55ミリF3.5-5.6Ⅱ」とのレンズキットが約10万円(このリニューアルされた標準ズームも描写性能も、いずれチェックしてみたいところ)。これはもう、文句ナシに「お買い得カメラ!!」と言えるだろうね。

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掛川城から、掛川の町並を望む。撮影モードは、いちばんお手軽&簡単な「オートピクチャーモード」。人物、風景、マクロ、動体、標準の5つのモードから、カメラが自動的にモードを設定してくれる。この場面では「風景モード」に設定された。 ◆ペンタックスK200D DA18-55ミリF3.5-5.6Ⅱ(24ミリで撮影) オートピクチャーモード f10 1/200秒 AWB ISO100(オート) JPEG(RAW+JPEGで撮影) 撮影地:掛川城

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掛川城内のダルマさん。これも「オートピクチャーモード」で撮影した。もちろん、内蔵ストロボは自動発光で、調光精度もなかなかイイ感じ。 ◆ペンタックスK200D DA18-55ミリF3.5-5.6Ⅱ(21ミリで撮影) オートピクチャーモード f4 1/40秒 AWB ISO160(オート) JPEG(RAW+JPEGで撮影) 撮影地:掛川城

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建物の白い壁にドーンと描かれた(分割パネルだけど)「掛川宿 大祭絵巻」。背後の青空や街路樹の影などもフォトジェニックだった。 ◆ペンタックスK200D DA18-55ミリF3.5-5.6Ⅱ(18ミリで撮影) Aモード f11 1/200秒 +0.7補正 AWB ISO100(オート) JPEG(RAW+JPEGで撮影) 撮影地:掛川

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駅の時刻表の横に「七福神巡り」の額が飾ってあった。う~ん、このローカルな雰囲気がたまりませんなぁ~。液晶モニターでは「色調が黄色っぽいか?」と感じたが、パソコンモニター上でチェックしたら、割と偏りのない色調だった。このあたりの“液晶のクセ”も把握しておきたいところ。 ◆ペンタックスK200D DA18-55ミリF3.5-5.6Ⅱ(23ミリで撮影) Pモード f4 1/40秒 AWB ISO100 JPEG(RAW+JPEGで撮影) 撮影地:天竜浜名湖鉄道・掛川駅