機材レポート

適度なサイズで高い存在感! 描写性能もかなり優秀!!『ペンタックスDA35ミリF2.8マクロ リミテッド』

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これが「DA35ミリF2.8マクロ リミテッド」のスライド式内蔵フードを引き出したところ。前回レポートのフード収納時の写真と比べると“かなり深いフード”だということがわかる。

 ペンタックスが誇る高品位な単焦点レンズ「DAリミテッドレンズ」は、レンズ鏡筒だけでなく、フードやレンズキャップまで“アルミ削り出し”で、その質感の高さが大きな魅力。また、標準レンズ的に使える「DA21ミリF3.2ALリミテッド」や「DA40ミリF2.8リミテッド」などは、本体の厚みのなさ(全長が短い)も魅力にあげられる。そう、「パンケーキレンズ」ってヤツですわ。でもねぇ、ボディがK10DやK20Dのような少し大柄な機種だと、その薄さやコンパクトさがあまり生きてこない…というか、むしろルックス的にはアンバランスかも。

 その点、今回借りて使った『ペンタックスDA35ミリF2.8マクロ リミテッド』なら、K10DやK20Dとのバランスも悪くない。カメラを構えてレンズに指を添える…その時のホールド感も自然。全長47.5㍉・フィルター径49㍉・重さ215㌘…という数値は、かつての標準レンズ(35ミリ判での標準レンズ)の「50ミリF1.4」に近い値なんだよね。まあ、全長は少し長いけど、かなり長い(深い)スライド式のフードを内蔵していることを考えると、むしろ「コンパクトにまとめてるなぁ」と感心するくらい。それにしても、このくらいのサイズの“アルミ削り出しレンズ”になると、パンケーキレンズとは迫力が感じられるネェ。

 35ミリ判換算で「53.5ミリ相当」という画角も、かつて50ミリや55ミリを使っていた者には、感覚的に“しっくり”するだろう。しかも、レンズ先端から3㌢まで寄れる「等倍マクロレンズ」なので、その実用性の高さは相当なモノ。

 実写してみた結果、描写性能も納得できるモノだった。F2.8の絞り開放から十分にシャープで、画面中央付近だけでなく周辺部まで像がしっかりしている(ボケや流れが目立たない)。また、フラットな画面でも周辺光量の低下はわずか。歪曲収差もほとんど感じられない…って、単焦点の標準レンズだから当たり前かもネ(笑)。とにかく、ズームレンズの開放とは違うハイレベルな描写に感心感心! このレンズ性能なら、中途半端に絞るよりも、開放でガンガン攻めた方が楽しいと思うヨ。

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小さめの花をクローズアップするには、望遠マクロよりも踏み込んで(接近して)撮る必要がある。望遠マクロほど大きくはボケないが、自然な遠近感は“標準マクロ”ならでは。 ◆ペンタックスK10D DA35ミリF2.8マクロLimited Aモード f2.8 1/200秒 +0.3補正 WB太陽光 ISO100 JPEG

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クセがないぶん、被写体や状況を選ばず使える…。それが「標準レンズ」の特長なんだよネ。 ◆ペンタックスK10D DA35ミリF2.8マクロLimited Aモード f8.0 1/200秒 +0.3補正 WB太陽光 ISO100 JPEG

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雑木林を背景にして、細い枝の先の「若葉&小さな花」にピントを合わせる。望遠マクロとは少し違う“リアルさ”のある描写が印象的。 ◆ペンタックスK10D DA35ミリF2.8マクロLimited Aモード f2.8 1/320秒 -0.3補正 WB太陽光 ISO100 JPEG

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このレンズ、絞り羽根の数が多くて、なかなかキレイな形の“絞り径”になるよ~。