機材レポート

「手ブレ補正なし」を補う高感度の実力は?『オリンパスE-420』

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すっかり日が暮れたお寺の参道。すでに土産物店も閉まり、頼りになるのは、さほど明るくない外灯の光のみ。ちなみに、カメラを照らしているのはドリンクの自動販売機の光(笑)。高感度時の性能(画質)が問われる状況である。

 この『オリンパスE-420』は、超コンパクトな一眼レフ「E-410」のスタイルやコンセプトを踏襲するモデルである。そのため、ボディ内手ぶれ補正機構は搭載していない。小ささや軽さを優先するためである。だから、手ぶれ補正が欲しい人は「E-510を選びなさい」ということになる。E-410がE-420に進化したように、E-510もE-520に進化する…かどうかはわからないけど、手ぶれ補正機構を搭載しないことによる“軽快さ”が、このE-420の持ち味なのだなー。

 ということで、室内や夕暮れ時などでノンストロボ撮影をする場合には、手ブレを防ぐために高感度に設定して撮る必要がある。まあ、ISO感度設定オートも悪くはないけど「この場面ならISO200で十分だな」とか「ここはISO800まで上げないとツライな」といった判断は、やはり自分自身でないと下せない。

 感度をどこまで上げるかは、撮状況だけでなく、その感度でどの程度の画質(主にノイズ特性)が得られるかによって変わってくる。今回使用したE-420はベータ機なので、画質について詳しく言及することはできない。でも、大雑把には言っちゃおう(笑)。もちろん、ボク個人の感想だけど「ISO800までの画質ならOK!」って感じを受けた。ただし、高感度時のノイズ処理の度合いは、設定でカスタマイズできるけどね(今回は標準的な設定でチェックした)。通常は感度オートで撮影して「シャッター速度的にキビシイな」と感じたらISO800に設定する…というのがスマートな使い方だと思いマス!

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日没後の薄暗い散策路で見かけた白梅。その白い花を、内蔵ストロボ光で浮かび上がらせる。撮影距離を考慮してISO200まで上げたが、この程度の感度アップなら、画質劣化はほとんど気にならない。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Mモード f4 1/4秒 AWB 内蔵ストロボ使用 ISO200 JPEG

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外灯に照らされる木の茂みの色調と、その間から見える月が印象的だった。ISO400まで感度アップしたが、思った以上にノイズも目立たなくて好印象。それよりも、AFの“低輝度時の弱さ”の方が気になった。製品版はどうだろうか?
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Pモード f2.8 1/1.6秒 -0.7補正 AWB ISO400 JPEG

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かなり暗い被写体&状況だったので、ISO800まで上げて撮影した。それでも、得られたシャッター速度は1/5秒だったけど(苦笑)。ハーフトーン部では色ノイズも見られるが、そんなには目立たない。シャドー部も思った以上にキレイだ。クドいようだけど、あくまでもベータ機での印象だからね~。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Pモード f2.8 1/5秒 -0.7補正 WB白色蛍光灯 ISO800 JPEG