機材レポート

「視野率100㌫」ではないが、見え具合は満足できるファインダー『ニコンD700』

W080909_1

W080909_2

 ボディ素材や剛性、撮影機能や仕様。これらの点を実際にチェックしてみると、この『ニコンD700』は、フラッグシップモデルのD3やD300に何らひけをとらないゾ! と思わせてくれる。…でも、わかっていたとはいえ「あ~、やっぱフラッグシップモデルじゃないんだナ」と感じる点もある。それはファインダー視野率が100㌫じゃないこと(上下左右とも約95㌫)。ボクはD300を購入してまだ4ヵ月くらいだけど、この機種をメインに使っていると、100㌫で見えるのがあたりまえになってくる。画面周辺にある(主に被写体の背後にある)目障りなモノをギリギリの所でカットして、絶妙な構図決定をおこなう! こういった撮影で「やっぱ100㌫ないとツライなぁ」と痛感するのだ。まあ、最初から「このカメラはミドルクラスの製品だから、しょーがないよね」と割り切れるカメラなら諦めもつくけど、最初に言ったとおり、D700はボディの作りや撮影性能はフラッグシップに負けない。それだけに、100㌫じゃないのが余計に残念に感じられるんだよねぇ…。

 とはいえ、それ以外のファインダー性能・仕様は、かなり満足度が高い。フルサイズということもあり、そのファインダー視野の広さはウレシイ(APS-Cサイズのカメラのファインダーを見慣れていると)。そして、明るさや見え具合(像のキレの良さ)も十分に満足できるレベルに仕上がっている。そして、接眼部(アイピース)の作りが、D3と同様のリングタイプというのもウレシイよね。まあ、D300の角型の接眼部(D300では「接眼目当て」と呼ぶらしい)でも別に実害はないんだけど、何だか安っぽい感じがするんだよねぇ、アレは…。そんでもって「D700」には、D300にはないアイピースシャッターもしっかり装備されてるゾ!!

W080909_3
マクロ撮影や、それに近いクローズアップ撮影では、狙った被写体に確実にピントが合っているかどうかを、しっかり見極める必要がある(たとえAFでも)。それには視野が広くてキレの良いファインダーが必須となる。D700のファインダーは、そういった点では十分満足できる。 ◆ニコンD700 AF-Sニッコール24-70ミリF2.8G ED(70ミリで撮影) Aモード f3.5 1/400秒 WB晴天 ISO200 JPEG

W080909_4_2
広角域での撮影では、画面周辺にある柱や標識といったモノの写り込みが気になってくる。それを入れるか排除するか? また、入れるとしたら、どのくらいまで入れるか…と、けっこうシビアになってくる。そういう場合に「視野率は100㌫欲しいナァ」と感じるのだ。 ◆ニコンD700 AF-Sニッコール24-70ミリF2.8G ED(24ミリで撮影) Aモード f16 1/125秒 -0.7補正 WB晴天 ISO400 JPEG