機材レポート

意外とハマった「アートフィルター」の描写『オリンパスE-30』

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 ボクが『オリンパスE-30』で注目したのは、E-420やE-520よりもファインダー倍率が高いこと(両機は約0.92倍で、E-30は約1.02倍)、全点ツインクロスセンサーの11点AF、液晶モニターがフリーアングル式…といった点である。こういったフラッグシップモデルE-3並の性能&仕様でありながら、E-3よりも小さくて軽い点もウレシイ。…でも、予想してたよりは、大きくて重いかも(苦笑)。まあ、E-420やE-520とは違うこの“本格派っぽさ”は、けっこう好みだけどね。ま、このあたりは「エントリークラス」と「ミドルクラス」の違いからくる差なので、比較してもあまり意味ないかもね。前述の各スペックが高いのも特長なら、ボディが小さくて軽いのも特長だからサ。

 しかし、明らかにミドルクラスのE-30に「アートフィルター」のような撮影モードが搭載されたのは意外。こういった“お手軽系モード”は、E-420やE-520の後継モデルや、コンパクト機のμやFEシリーズに搭載すればイイのでは? と、内心思ったヨ。効果の強弱は選べないし、複数のモードを組み合わせて使えるワケでもないし、ねえ。

 とまあ、新機能「アートフィルター」に関しては、正直か~なりネガティブな印象を持っていたボク。…でも、試しに使ってみたら、あら不思議!? 実に楽しいじゃありませんか(笑) 。この撮影モードは、基本的にはプログラムオートだけど、ダイヤル操作でプログラムシフトが可能なので、シャッターや絞りを優先した使い方もできる。もちろん、露出補正やホワイトバランス設定(ラフモノクロームは関係ないけど)も使えるヨ!

 最初に選んだモードは「ポップアート」。彩度をチマチマと上げたのとは違う、突き抜けた色鮮やかさ(派手さ)が潔い!! まず、この描写にハマったね。そして、他のモードを試していくうちに、ポップアートとは対極にある「ラフモノクローム」の描写にもハマった。何の変哲もない光景を、ドラマチックな光と影の世界に演出してくれるこのモード、撮り続けてるとクセになっちゃうかも。あ~、トライX(※コダック社のISO400のモノクロフィルム)を高温現像したようなハイコントラストぶりが、何だかとっても懐かしいゾッ! ま、これも“やりすぎ感”たっぷりだけど(笑)。ちなみに、アートフィルターの効果は、JPEG画像にのみ適用されるので「RAW+JPEG」に設定しておけば、RAW現像で通常(ノーマル)の写真も作れマ~ス!

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仕事からの帰宅中、沈む寸前の夕陽に誘われて、唐突に途中の駅(高架駅)で下車。そして、「ポップアート」に設定して、夕暮れ時の色調を強調した。 ◆オリンパスE-30 ZUIKO DIGITAL 14-54ミリF2.8-3.5Ⅱ(14ミリで撮影) アートフィルター「ポップアート」モード f7.1 1/200秒 AWB ISO200 JPEG

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左上は通常撮影。「ポップアート」と「ラフモノクローム」の両極端っぷりがイイ感じでしょ? 画面周辺が暗く落ち込む「トイフォト」の描写も“いかにも”って感じだけど、けっこう楽しそう。ちなみに、通常撮影と比べると、色調も違うんだよネ。ちなみに、選択モードによっては、撮影後の画像処理時間が長くなるので、その点はガマンが必要だけどねー。

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◆オリンパスE-30 ZUIKO DIGITAL ED 9-18ミリF4.0-5.6(11ミリで撮影) アートフィルター「ラフモノクローム」モード f11 1/50秒 ISO200 JPEG