機材レポート

“賢い弟分”のS90と比べて、負けてる点と勝ってる点『キヤノン パワーショットG11』

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 同時期デビュー(発表)の弟分にあたる「パワーショットS90」のせいで、ちょっと印象が薄い気がする『キヤノン パワーショットG11』。まあ、S90は新しいコンセプトのモデルだけど、G11はスタイルも仕様も“G10を踏襲するモデル”だから、しょーがないんだけどね。

 …でも、賢い弟分のS90と比べると、けっこう負けてる点が多いのが気になる。たとえば、広角端の開放F値が1段暗いとか、ISO感度が1段ステップだとか(S90は1/3段ステップ)、広角時の歪曲収差がS90より目立つとか、背面のコントローラーホイールで露出補正できないとか(←ボク個人としては、この点がいちばん不満)…そういった点である。

 もちろん、G11の方が勝っている点もある。、手に馴染むボディフォルム&材質とか、ストラップが2点吊りで安定感があるとか、コントローラーホイールの操作感が良好だとか(S90のホイールはユルユルな感じ)、マクロモード時に広角側でレンズ先端から1㌢まで寄れるとか(S90は5㌢まで)、液晶モニターがバリアングル方式だから斬新なポジション&アングルで迫れるとか…そういった点ね。

 まあ、G11とS90じゃあ、大きさやスタイルがぜんぜん違うから、本来は同じ土俵で比較すべきじゃないのかも。用途や撮影スタイルも変わってくるだろうし。

 …とはいえ、パワーショットのフラッグシップ「Gシリーズ」としては、レンズのスペックで、もっとS90を圧倒して欲しかったね。そう、画角で圧倒するとか(24~200ミリ相当とか)、ズーム全域の明るさで圧倒するとか(28~140ミリ相当でF1.8-2.8とか)。

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マクロモード(広角側)で被写体の1㌢まで寄れるので、花のクローズアップ撮影とかで、臨場感のある写真を撮ることができる。そういった撮影で、バリアングル方式の液晶モニターが、大きな威力を発揮してくれるのだな~。