機材レポート

ズーム全域で寄れて、高感度特性にも優れる『リコー CX3』

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 半年くらい何も買わない時期があるかと思えば、1ヶ月にカメラを2台くらい買ったりする。そんなコトって誰にでもあるよね。…え、ないって?(苦笑) 4月のボクの“買い物事情”は後者のパターンだった。中旬に「パナソニック DMC-TZ10」を買ったが、その約2週間後に『リコー CX3』を買ったのである。

 どちらも“スリム系・高倍率ズーム機”に該当するカメラで、DMC-TZ10には25~300ミリ相当の光学12倍ズームが搭載されていて、CX3には28~300ミリ相当の光学10.7倍ズームが搭載されている。露出モードの種類や撮影機能に違いはあるが、基本的には同じようなスタイルのカメラなのだなー。

 では、なぜDMC-TZ10を買った直後にCX3を買ったのか? それは、現在“お手軽ブツ撮り用カメラ”として使っているリコー GX200に換わるモデルが欲しくなったから。リコーのコンパクトデジカメは、広角側だけでなく「ズーム全域で寄れる」のが大きな特長だったりする。その中でも、GX200はCX3よりもワンランク上のカメラで、24~72ミリ相当のズームレンズの性能は優秀だし、RAWモードでも撮影できる。そんでもって、チルト式液晶ビューファインダーやテレコンバージョンレンズなど、趣味性と実用性を兼ね備えたアクセサリー類も用意されている(ちなみに、どちらのアクセサリーも持ってます)。

 …でもなぁ、現在の基準で見ると“画面のノイズっぽさ”が、気になってくるんだよね。もちろん、最低感度のISO64とかで撮れば、そんなに気にはならないけど、光量に恵まれない場所での“手持ちブツ撮り”だと、ISO感度を高く設定しないとブレてしまう。GX200でISO200や400…か。う~ん、ちょっとキビシイなぁ(苦笑)。

 CXには、高感度特性に優れる裏面照射型CMOSセンサーが搭載されていて、画像処理に関しても定評のある「GRデジタルⅢ」譲りのノイズリダクションアルゴリズムを採用。だから、ISO400や800で撮影しても、さほどノイズ感が気にならないのである。もちろん、「コンパクトデジカメとしては」という注釈は付くけどね。

 ちなみに、ブツ撮り用カメラの候補として、GRシリーズの発展モデル(?)である「GXR」も考えた。でも、価格やボディサイズがネックになり、今回は購入に至らなかった。

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広角域でなく望遠域でアップに撮りたい! カメラやレンズなどを撮る“ブツ撮り”では、そう思うことが多い。広角(マクロに切り換えると31ミリ相当)で1㌢まで寄れ、望遠300ミリ相当でも28㌢まで寄れる「CX3」は、かなり重宝するカメラだ。
◆リコー CX3 135ミリ相当で撮影 プログラムオート F5.1 1/143秒 -0.3補正 WBマルチパターンオート ISO92

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暖かい春の風に揺れる藤棚の様子を、望遠300ミリの「引き寄せ効果」や「圧縮効果」を利用して撮影した。ちなみに、このCX3も含め、最近のリコー機は、以前よりも色再現が好ましくなった(個人的な印象)。
◆リコー CX3 300ミリ相当で撮影 プログラムオート F5.6 1/290秒 -0.3補正 WBマルチパターンオート ISO154