機材レポート

梅雨時期だって写真を撮りたい! オススメ雨対策アイテム8選

今年は梅雨に入っても、例年よりも雨の日が少ないようで、写真を撮るにはありがたい日(早くも水不足が心配されてはいますが……)が続いている。とはいえ、いざ気合を入れて撮影に出掛けると雨が降ってくるというのはよくあること。そんな場合でも撮影が楽しめるよう、カメラの雨対策用品を用意しておきたい。

 

最近の一眼カメラは、交換レンズを含めて防滴仕様の製品が増え、多少機材に水がかかっても問題のないものが増えている。だが、そうした機材も、あくまで「防滴仕様」であって「防水仕様」ではないので、雨が降り続く中で撮影するのには向かない。できるだけ雨水が機材にかからないように注意が必要な点は、通常の機材と変わらない。

カメラ用の雨の日対策用品としては、機材に被せて雨水がかからないようにする「レインカバー」(①)と、カメラなどに傘を固定できる「レインブラケット」(②)が主流。そして、①にはビニール素材などでできた簡易型のものと、ナイロン地などで作られた本格的なもの。②にはカメラに直接傘を取り付けるタイプと三脚に固定するタイプなどがある。そこでここでは、この4タイプの製品を中心に、オススメの製品を紹介しよう。

 

小さく軽量な「簡易型レインカバー」

「簡易型レインカバー」は、薄手のビニール素材が使用され、持ち運びやすいのが最大の魅力。多くは透明の素材を使用しているので、背面モニターやカメラ設定の確認・変更も容易。実質的に1回使い切りの製品が多いが、1枚数百円と低価格。雨の日撮影の頻度が多くなければコレで十分。


オプテック レインスリーブ ノーマル
参考価格/990円(2枚入り)

透明なビニール製で軽量なので、カメラバッグに忍ばせておくと安心。レンズ先端部分を紐で絞ることができ、標準~望遠レンズ(70-200㎜ F2.8程度)まで対応可能。カメラ操作は、ボディ下方から手を入れて行う。本製品のほか、標準ズームなどに対応の「スモール」、外付けフラッシュ使用時用の「フラッシュ」、超望遠レンズ用の「メガ」も用意されている。

 

耐水性+αが期待できる本格レインカバー

丈夫で耐水性のあるナイロン地などを用いたレインカバーは、価格はやや高めになるが、雨の中での長時間撮影でも安心感が高く、汚れたら洗濯することも可能なので、雨の日に撮る機会が多いなら、用意しておきたい。製品によっては裏地にフリース地やコットンなどを組み合わせて、耐寒性能を上げているものも多い。そうした製品なら、雨の日だけでなく冬場の撮影でも活躍してくれる。


ラムダ フリースレインボー 四季
参考価格/7770円

ナイロンの裏地にフリース地を組み合わせ、かつ裏地にはカイロ用のポケットも装備。雨対策のほか防寒対策にも活用できる。カメラ操作は左右の側面にあるファスナー付きの開口部から行う。背面モニターの確認や設定変更などは、背面部のカバー付き開口部を用いる。中に多少水が入っても、フリースが吸水してくれるのでカメラへの影響が少ない。220gと軽量で付属のケースに入れることで小さくまとめられるのも魅力。


ハクバ SST-RCPRO セーフテック カメラレインカバー プロ
参考価格/6240円

耐水圧10000㎜の高い防水性を誇るレインカバー。それでいて透湿性素材の採用により、カバー内部が蒸れにくい構造となっている。背面にビニール素材の透明で大きな窓(タッチ操作にも対応)が用意され、背面モニターやカメラ設定の確認がしやすい。操作は、背面側のファスナー付き開口部から行うようになっているが、ファスナーにも防水仕様となっていて安心感が高い。価格も良心的でコスパの面でも優れた製品だ。


レンズコート レインコート 2 プロ リアルツリーMax4
参考価格/21770円

超望遠レンズで野鳥や飛行機撮影などを撮りたい場合にオススメのレインカバー。300㎜から800㎜程度までのレンズに対応。300㎜などの短めのレンズ使用時は、生地を畳んでストラップで留めておくことができ、余った生地が邪魔にならず使いやすい。左右の開口部から手を入れてボディとレンズの操作が可能なほか、背面にも大きめの開口部があり、背面モニターの確認や操作が行える。迷彩柄なので、雨の日以外も野鳥撮影などのカモフラージュとしても使える。

 

レインブラケットは風に注意が必要

普段使っている傘を活用して雨を凌ぐことができるレインブラケットは、雨の中でスナップ撮影を楽しみたい場合などに便利だが、風が強いとカメラごと飛ばされたり、撮った写真がぶれてしまったりするので注意が必要だ。三脚に取り付けるタイプのものは、三脚の重さがあるぶん安定はするが、三脚ごと倒れてしまう危険性がある。雨も吹き込んでくるので、風の弱い小雨のとき用のアイテムといえるだろう。


ハクバ L-UCH アンブレラカメラホルダー
参考価格/1570円

多くのレインブラケットは、固定式のL字型アングルの縦側に傘を取り付けるようになっている。本製品もL字アングルであるのは同じだが、折り畳み式で持ち運び時に邪魔になりにくい。強度的には固定式のほうが丈夫なハズだが、それほどの強度が必要な条件時(強風時など)は、撮影が困難だ。利便性と実用性を兼ね備えた製品といえる。


エツミ E-6722 レインブラケットDX2
参考価格/2900円

三脚と雲台の間に挟み込んで傘を固定できるブラケット。

 

フィルターや三脚も水に強いものがベター

雨の日の撮影では、レインカバーなどを用いてもレンズ表面や三脚には水がかかってしまう。そのため、必要に応じて雨を拭いながら撮影することになるが、特にレンズは浸水のほか傷が付いてしまう可能性もあるので、撥水性の高い保護フィルターを用意したい。三脚については、水がかかったからといってすぐに壊れてしまうことはないが、後々オーバーホールが必要になるケースもあるため、防水仕様の三脚があるとベターだ。


マルミ EXUS レンズプロテクト
参考価格/4460円(67㎜径)

交換レンズのレンズ表面にかかる雨は、フードやレンズ保護フィルターなどを使って、レンズに直接水が付着しないようにする。保護フィルターには、水が付着するため、クリーニングクロスなどを使って拭う必要があるが、マルミのEXUSシリーズフィルターなど、撥水・防汚機能を持つ製品を使えば水を素早く拭えて、水滴跡なども残りにくい。


シルイ W-1204
参考価格/50274円(SIRUI DIRECT価格)

シルイのWシリーズ三脚は、国際基準の防水規格IPX-7をクリアした、数少ない“防水三脚”で、水辺に脚を浸して使うこともできるが、雨中で使う場合も安心だ。このW-1204は、縮長490㎜、伸長1650㎜の4段式で重さ1.4㎏、耐荷重15㎏のカーボン製で軽量かつしっかりとした作りなのも魅力。脚を外して一脚としても使えるユニークな製品でもある。

 

雨の日撮影の後はメンテナンスも忘れずに

梅雨明けまではもうしばらく時間が必要だが、梅雨が明けても夏場に突然雨が降ってくることは多い。そうした急な雨への対策や、身近にある水滴の付いた花や葉などを撮りたいという場合は、簡易型のレインカバーがかさ張らず重宝する。レインブラケットも、花のマクロ撮影などを行う場合は、大きめの傘を用意して被写体ごと傘に入れると撮影しやすい。一方、本格的な風景撮影や長時間の撮影を行う場合には、耐水性のある丈夫な生地を使用したレインカバーのほうが安心感が高く、カメラの操作も行いやすい。

いずれにしても、デジタルカメラは電子機器なので水や湿気が苦手な点は、防滴仕様の機材であっても変わらない。そのため、撮影後はカメラ表面などに付着した水を確実に拭い、十分に乾燥させるなど、メンテナンスも忘れずに行いたい。そうした点に注意して、撮影シーンに合った雨対策用品を用いれば、雨が降っていても、存分に写真撮影が楽しめる。

 

 

〈文〉河野弘道