■安定感の高いフルオート撮影性能
続いて屋外での作例を見ていこう。次の5枚は、いずれも晴れた日にフルオートで撮影した屋外スナップだ。感度は最低感度のISO40。クリアで鮮やかな発色と、細部までの高精細な描写を確認できる。
幅広く使える焦点距離
35mm判換算の焦点距離は25mm相当。風景や建物、スナップ撮影用に使いやすい焦点距離といえる。
軽快なレスポンス
撮影レスポンスが軽快なので、ストリートスナップなど瞬間を捉える用途にも役立つだろう。
細部までシャープな質感描写
最大の画像サイズは5056×3792ピクセル。屋根瓦の模様や軒下の網など細部の質感までをシャープに描写できている。
目で見たとおりに撮れる
強い日差しの中での撮影だったが、ハイライトが白とびすることなく、見た目どおりの色と明るさで記録できた。
デジタルズームも実用レベルのクオリティ
デジタルズームで撮影。ズームアップすると画質はやや低下するが、2倍程度までなら実用レベルのクオリティは維持できる。
撮影モードは、13種類のシーンと4種類のコンディションをカメラが自動判断する「プレミアムおまかせオート」のほか、感度やシャッター速度をユーザー設定できる「マニュアルモード」を搭載。ピントのマニュアル設定や、1秒間で最大10コマの連写、18種類のエフェクトなどの機能も備えている。
既存モデルから「先読み撮影」機能を継承。シャッターを押した瞬間と、その直前の画像を最大4枚まで記録できる機能だ。動体撮影に役立つ。
<マニュアルモードで撮影>
マニュアルモードでは、ホワイトバランスと露出補正、感度、シャッター速度、ピントのユーザー設定ができる。RAW記録には非対応で、ファイル形式はJPEGのみとなる。
<プレミアムおまかせオートで撮影>
「プレミアムおまかせオート」を選択した場合、被写体までの距離が近いと、画面上にチューリップのアイコンが表示され、マクロでの撮影が可能になる。
<プレミアムおまかせオートで撮影>
同じく「プレミアムおまかせオート」で撮影。必要に応じて画面上をタップしてピント位置を変更したり、明るさや色合いを調整することも可能だ。
本体サイズは幅80×高さ158×奥行き11.9mmで、重量は約236g。最近のハイスペックなスマホのなかではやや分厚くて重めであり、手に取るとずっしりとした凝縮感と存在感が伝わってくる。携帯性という点では不利だが、撮影時の安定性では適度な重量はむしろ好都合といえる。背面は滑らかな曲面になっており、手になじむフィット感もある。
注意点は、デュアルカメラの位置が背面の中央付近にあること。そのため、撮影時に指でレンズをふさいでしまったり、レンズを触って指紋をつけたりしたことが何度かあった。慣れるまでは気をつけたい部分だ。
ディスプレイは5.8インチの「トリルミナスディスプレイ for mobile」液晶で、画面解像度は4K(3840×2160ドット)に対応。最近流行りのベゼル領域が狭いタイプではなく、持ちやすさを重視したデザインだ。
トータルとしては、シーンや被写体を問わず、常にバランスのいい色と明るさで記録できるオート撮影の安定感の高さに好印象を受けた。特に、光量の乏しい場所でも手持ちでシャープかつ色鮮やかに写せる高感度性能の高さは、現在のスマホのなかでもトップレベルといっていい。「Xperia XZ2 Premium」は、暗所での撮影機会が多い人には、積極的にお勧めできるスマホだ。
〈写真・文〉永山昌克