3段式で3ウェイ雲台付き、高さはアイレベルというのが一眼レフ時代の三脚選びの基準だった。でも、ミラーレスカメラが当たり前になった今は、三脚に対する要求も変わっている。ミラーレスカメラにマッチする新時代の三脚選びをはじめよう。
ミラーレス時代の三脚選び
- プロはこう選ぶ! ミラーレス時代の三脚選び新基準は!?
- ズバリ! 三脚は3つのポイントで選ぶべし! ベストマッチを見つける方法
- 雲台は三脚のかなめ! 選ばれる雲台には精度、強度、固定力すべてが揃っていた
- 大口径レンズでの望遠撮影に使う三脚は、“耐荷重2倍以上”を選ぶ
三脚を選ぶ際の3つのポイント
Point1 カーボンとアルミどちらを選ぶ?
軽さのカーボンか、お買い得なアルミをチョイス
同じシリーズの三脚を見比べると、カーボンとアルミの違いは一目瞭然。高さも耐荷重もほとんど同じで重さは2割違う。持ち歩く機材の重さがレンズ1本分軽くなるわけだ。ただし、お値段は約2倍になるから悩ましい。
マンフロット 190プロ
アルミ3段
参考価格/21,100円
全高:160センチ/135センチ縮長:59センチ
重さ:2キロ
耐荷重:7キロ
カーボン3段
参考価格/44,550円
全高:160センチ/135センチ縮長:61センチ
重さ:1.6キロ
耐荷重:7キロ
CHECK!!ジッツオが初めて三脚にカーボンを採用!
カーボン三脚なら軽快に持ち歩ける
世界で最初にカーボン三脚を発売したのがジッツオ。カーボンは軽くて剛性が高く、振動減衰性もいいので一眼レフのミラーショックによるブレを減らせるなどの強みがある。反面、重さのあるアルミは安定感があり、価格も安い。
Point2 段数は3段それとも4段以上?
剛性で選ぶなら3段、携帯性重視なら4段以上
メーカーは違うが、伸ばした高さが同じぐらいの3段(下)と4段(上)を比べてみた。携帯性の面では4段が有利だが、最下段パイプが細くなるので剛性面では3段が上となる。また、4段は操作する部分が増えるのも面倒な点だ。
ローアングル撮影は4段モデルがオススメ
マクロ系が好きな人には3段より4段のほうがオススメだ。理由は脚が短いぶんローアングル時の設置面積が小さくなるから。3段よりも幅を取らないので、カメラ位置の自由度が高いのだ。
重さと価格、携帯性を考え自分に合った三脚を選ぶ
三脚を選ぶうえで悩ましいのは、重さと価格。それと携帯性。この3つの兼ね合いを考える必要がある。軽さを重視するなら素材はカーボンが有利。アルミより2割から3割ほど軽くなるので、特に大きなものが欲しい人ほど有利となる。また、振動減衰性もいいので、メカショックによるブレが抑えやすいメリットもある。一方、アルミは重くはなるが、重さのぶんだけ脚の伸縮がスムーズにできる。もちろん、お値段がグッと身近になるのも見逃せない点だ。
段数は少ないほど脚のロック・アンロック操作の回数が減らせるので、使い勝手は3段がベスト。セッティングが早いぶん、シャッターチャンスにも対応しやすい。反対に、携帯性を重視するなら4段やそれ以上のものが有利になる。ただし、最下段の脚パイプが細くなるので強度や剛性の面では不利になることも忘れてはいけない。
Point3 使いやすいのはレバー式かナット式か?
ベルボン ジオ・カルマーニュ
E635MⅡ(レバー式)
参考価格/49,710円
素材:カーボン(3段)全高:180センチ/139.6センチ
縮長:66.6センチ
重さ:2.17キロ
耐荷重:4キロ
N635MⅡ(ナット式)
参考価格/50,910円
素材:カーボン(3段)全高:187センチ/144.6センチ
縮長:68.6センチ
重さ:2.3キロ
耐荷重:4キロ
レバー式もナット式も好みで選んでOK
脚の伸縮のロックは、以前はレバー式だと緩みやすくて良くないと言われたが、最近はかなり改善されているので、よほどチープなものを買わなければ大丈夫。ナット式も回転角が小さくなって、素早い操作が可能になっている。
レバー式ロックが操作性と強度を両立
ベルボンのジオ・カルマーニュEシリーズに採用されている「エル・ロック」は、素早い操作と強度を併せ持つ構造が見どころ。ロックが緩くなっても締め増しできるから安心だ。
多段式を一気に伸ばせるウルトラロック
コンパクトタイプのUTC/UTシリーズの最大の特徴が独自の「ウルトラロック」だ。脚先をひねるだけで全段を一気にアンロックでき、一気に伸ばせる。多段式なのに素早く操作できる。
ナット式ロックが進化し素早くセッティングできる
脚のロックの方式はリング状の部品を回して締めるナット式と、簡単操作のレバー式があるが、カーボンが主流の今は、レバー式が少なくなっている。と言うのは、レバー式のロックはカーボンとの相性がよくないから。それと、最近はナット式も性能がよくなっていて、90度ほど回すだけでロック・アンロックが可能。レバー式と大差ない素早いセッティングができるのだ。
レバー式の場合は、締め増しができるかどうかを前もって確認しておくこと。摩耗などで緩んだときに締め増しできれば寿命も延ばせるから重要だ。
携帯性の高さで人気のコンパクトタイプは、脚を上向きに収納する180度折り畳み式が主流だが、通常のタイプよりも脚を開くときの手間は多くなる。昼間は手持ちのみ、夜景のみ三脚、といった使い方にはいいが、頻繁に立てたり片づけたりを繰り返すなら、セッティングの手間を覚悟しておこう。
CHECK!!コンパクト三脚は180度折り畳み式が主流に!
携帯性にこだわったトラベラー三脚
脚パイプを上向きに畳む方式にして小型化を達成したのがジッツオのトラベラー三脚。携帯性が大幅に向上することもあって、最近はこの方式がコンパクト三脚の主流になっている。
素早くセッティングできる反転方式も登場
反転収納式の中でもユニークなのが、バンガードのVEO2シリーズ。ほかと違ってセンターポールが180度回転する。操作する部分が1か所で済むのでセッティングが早いのが売りだ。