機材レポート

購入1ヶ月で実感した操作性の特徴『キヤノン EOS60D』

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EOS60Dのファインダー仕様は「視野率/約96㌫・倍率/約0.95倍」と、上位モデルのEOS7Dの値(約100㌫・約1.0倍)には及ばない。しかし、前モデルEOS50Dと比較すると、視野率は前モデルEOS50Dより約1㌫高く、倍率はEOS50Dと同じ。このあたりの“ミドルクラスに相応しいファインダー性能”が、タムロンSP AF90ミリF2.8 Diのようなマクロレンズを使った撮影では、とても頼もしく感じられる(撮影時の実感としても)。

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操作系での大きな特徴は、マルチコントローラー(内側)と、サブ電子ダイヤル(外側)を一体化させている点。見た目としては、コンデジの「パワーショットG12」などに似ているが、あちらの内側は通常の4方向十字キー。EOS60Dのマルチコントローラーは8方向キーなのである。

 早いもので、ボクが『キヤノン EOS60D』を発売日に購入して、ちょうど1ヶ月が経った。その間、仕事がバタバタと忙しかったこともあり、プライベートで“使い込んだ”という実感はないんだけど、仕事上ではけっこう使ってますネ。

 このEOS60Dには“EOSシリーズ初”の機能がいくつか搭載されているけど、その中でも「バリアングルクリアビュー液晶」は予想どおりというか、予想以上によく活用している。もちろん、通常(固定式)液晶モニターのカメラに不満は感じないけど、ボクのように草花を撮る人間だと、あったら使っちゃうんだよね、バリアングル機能は。…ということで、花の前に座り込んで「バリアングル機能でのライブビュー撮影+MFで拡大表示」というのが、最近のボクのお気に入りの撮影スタイルです(笑)。

 EOS5D MarkⅡやEOS7Dなどに搭載されている「マルチコントローラー」と、EOSシリーズではお馴染みの「サブ電子ダイヤル」。この2つの操作部を一体化させているのも、EOS60Dの特徴的な部分である。ボクの場合、すでにEOS5D MarkⅡのマルチコントローラーに慣れたから、最初はちょっとEOS60Dのマルチコントローラーの感触に違和感を覚えた。「マルチコントローラーと言ったら、ジョイスティックのように“指先でちょちょい”って操作できる点がウリでしょうが!」とね。通常の十字キーのように、指先をバタバタと動かさなければいけないので「これはマルチコントローラーじゃない!!」って感じたのだな。

 …でも、もう慣れた(笑)。

 たしかに“指先でちょちょい”って感じはなくなったけど、サブ電子ダイヤルとの距離がなくなったので、両方を交互に使う際の“離れた感じ”がなくなったのは、メリットと言ってイイだろう。これは「バッテリーグリップBG-E9」を装着した時には、もっと実感するだろうね。

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「マルチコントローラー」で、右上のAF測距点を選択して撮影。
◆キヤノン EOS60D タムロンSP AF90ミリF2.8 Di 絞り優先オート F4 1/320秒 +0.3補正 WB太陽光 ISO100

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こちらは「マルチコントローラー」で、左下のAF測距点を選択して撮影。
◆キヤノン EOS60D タムロンSP AF90ミリF2.8 Di マクロ1:1 絞り優先オート F4 1/250秒 +0.7補正 WB太陽光 ISO100