オリンパス「OM-D E-M1X」は、画像処理エンジン「TruePic VIII」を2基搭載することで起動やデータ書き込み等の高速レスポンスを実現。それによって「インテリジェント被写体認識 AF」「ライブND」「手持ちハイレゾショット」といった、最先端の撮影機能を可能としている。今回は、「ライブND」について実写を交えつつ紹介しよう。
オリンパス OM-D E-M1X レビュー
① 気になる“縦位置グリップ一体型”の使用感は?
② AIを活用したAFって? インテリジェント被写体認識AFを試してみた
④ 手持ちでも圧倒的な精細感! 手持ちハイレゾショットを試してみた
⑤ シャッター速度4秒の手持ち撮影!? オリンパス「OM-D E-M1X」レビューまとめ
NDフィルターと同様の作画効果が得られる「ライブND」
機能の進化ではなく、新しい機能になるのが「ライブND」。これは、レンズにNDフィルターを装着したのと同じような作画効果が得られる、驚きの機能である。
複数の画像を合成して疑似的に露光時間を延ばすことで、低速シャッターの効果を使った表現が可能になるのだ。また、LVシミュレーションをONに設定しておけば、設定した低速シャッターでの仕上がり具合を確認することもできる。
「ライブND撮影」は、露出モードがSまたはMの場合に機能する。効果の段数は、ND2(1段分)~ND32(5段分)の5段階から選択可能。
なお、使用できるシャッター速度の上限値は、設定するND段数によって変わってくる(ND2:1/30秒~ND32:1/2秒)。また、感度の上限はISO800までになる。
この新機能「ライブND」を活用すれば、NDフィルターの携行や着脱の手間が省けるし、フィルター装着が困難なレンズでも同じ効果を得ることができる。また、補正効果の高い手ぶれ補正機能によって、手持ちのままで低速撮影ができるのも、大きな魅力である。
ライブNDの効果を確認するべく、明るい日中に、噴き上がる噴水を低速シャッターで“流れ”として表現しようとトライ。通常の撮影方法では、感度を最も低いISO LOW(64相当)に設定しても1/25秒までしか下げられない。これでは十分な流れにはならない。しかし、ライブNDで「ND32」に設定したら、1/2秒の低速シャッターで撮影でき、噴水を見事な“流れ”として表現できた(レンズの絞りにもまだ余裕あり)。
<通常撮影:1/25秒>
<ライブND(ND32)撮影:1/2秒>
共通データ:オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(47mmで撮影) シャッター優先オート -0.3補正 WB:オート ISO64
続いての作例は水の上に浮かべられた、色鮮やかなベゴニアの花。よく見ると、ゆっくりゆっくりと動いている。その動感を“ブレ”として表現するには、かなり低速なシャッター速度に設定する必要があるだろう。そこで、ライブNDで「ND32」に設定し、4秒の超低速シャッターで手持ち撮影した。
オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(12mmで撮影) シャッター優先オート F8 4秒 WB:オート ISO200
次回は「手持ちハイレゾショット」について紹介しよう。