オリンパス「OM-D E-M1X」は、画像処理エンジン「TruePic VIII」を2基搭載することで起動やデータ書き込み等の高速レスポンスを実現。それによって「インテリジェント被写体認識 AF」「ライブND」「手持ちハイレゾショット」といった、最先端の撮影機能を可能としている。今回は、「手持ちハイレゾショット」について実写を交えつつ紹介しよう。
オリンパス OM-D E-M1X レビュー
① 気になる“縦位置グリップ一体型”の使用感は?
② AIを活用したAFって? インテリジェント被写体認識AFを試してみた
③ NDフィルターの効果を疑似的に再現!? ライブNDを試してみた
⑤ シャッター速度4秒の手持ち撮影!? オリンパス「OM-D E-M1X」レビューまとめ
手持ち撮影で高解像画像が得られる「手持ちハイレゾショット」
0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら8回撮影し、その画像をもとに50M(5000万画素)相当の高解像画像を生成する「ハイレゾショット」。この機能はOM-D E-M1 Mark IIなどにも搭載されていたが、OM-D E-M1Xでは三脚を使わずに撮影できる「手持ちハイレゾショット」が新たに追加された。
<「手持ちハイレゾショット」で撮影>
オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(12ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/640秒 -0.3補正 WB:オート ISO200
これは、撮影中に発生するわずかな位置ずれを利用して16回撮影し、その画像をもとに50M相当の高解像写真を生成するのである。この機能の実現によって、三脚が使用できない場所や、三脚を設置する時間的に余裕のない状況でも、本来の20Mよりも高解像な画像を得ることが可能となった。これは、とても魅力的である。
ハイレゾショットの機能は、撮影メニュー2のなかで設定する。ハイレゾショット撮影を行うと、高解像画像を生成(生成)する処理時間が長くなるようだ。
なお、ハイレゾショット撮影を行うと、高解像画像が生成されるまでの待ち時間が必要になる。そして、「手持ちハイレゾショット」では、その待ち時間がより長くなる。試しに、両モードで「処理中」の表示が出ている時間を計測してみたら、手持ちモードは13秒台、三脚モードは6秒台、という結果になった。
ちなみに、RAWモードで撮影したデータは、画像編集ソフトウェアのOLYMPUS Viewer3や新しいOlympus WorkspaceでRAW現像することで80Mの画像が生成できるが、これは「三脚ハイレゾショット」での仕様になる(手持ちハイレゾショットは50M)。
実際に三脚を使わない状態でハイレゾショット各モードを撮り比べてみると、手持ちハイレゾショットのほうは当然、良好な結果を得ることができた。一方、三脚ハイレゾショットのほうは、さすがに手持ちでは不規則に乱れた画像になってしまう(三脚ハイレゾショット設定時は手ぶれ補正がOFFになる)。
<手持ちハイレゾショット>
<三脚ハイレゾショット(※手持ち撮影)>
共通データ:オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(70ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/400秒 -0.3補正 WB:オート ISO200
究極の高精細画像を追求するなら、三脚を使用して「三脚ハイレゾショット」を選択することになるだろう。また、使用レンズも、より解像力の高いM.ZUIKO PROやM.ZUIKO PREMIUMレンズが好ましい。手持ちハイレゾショットと三脚ハイレゾショット、それが使い分けられるのは、実に魅力的である。
<三脚ハイレゾショットで撮影>
オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(35ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/60秒 -0.3補正 WB:オート ISO200 三脚
<三脚ハイレゾショット(50M)からの切り出し>
<通常撮影(20M)からの切り出し>
次回は進化した手ぶれ補正と、全体の総括を行いたい。