機材レポート

実写レビュー!満を持して登場した「SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art」その実力は?

クラス最高性能の大口径広角単焦点がArtレンズで登場

高い描写力を誇るシグマArtレンズのラインナップに、28mmF1.4がようやく加わった。最新の光学技術を投入した、シグマの自信作ともいえる一本だ。

 

SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art

 

■超広角から中望遠まで、Artラインナップが完成

現在14mmから135mmまでカバーしているシグマArtレンズの単焦点。そのラインナップでぽっかりと隙間を作っていたのが、古くから広角の定番とされてきた28mmだった。今までなかったのが本当に不思議なのだが、満を持して発売された「28mm F1.4 DG HSM」を使ってみて、高い次元で設計されているのがファインダー越しでも伝わってくる。28mmといえばiPhoneなど多くのスマートフォンと同じ画角だが、F1.4の明るさでは大きなボケも生まれ、表現の幅も格段に違う。

ほかのArtレンズと同様、特殊ガラスや非球面レンズを贅沢に使うことで倍率色収差を補正。キヤノン製カメラの「レンズ光学補正」機能に対応しているが、試しにオフで撮影しても歪曲が少なく、すみずみまでシャープな像を結んだ。

また前玉に撥水・防汚コーティングを施しているほか、防塵防滴性も考慮。フードも昨年から登場したロック機構付きを採用するなど、画質以外の面でも高い品質を誇っている。

SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art

 

■Artラインらしい高い描写力

テスト的な意味合いで、あえて前ボケに点光源を取り入れてみた。周辺でほんのわずかに口径食が見られるが、F1.4という大口径では十分すぎる結果だと思う。ピントを合わせた遠くのイルミネーションも緻密に描写している。

SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art作例(撮影:鹿野貴司)

キヤノン EOS 5D Mark IV シグマ 28mm F1.4 DG HSM | Art マニュアル 絞りF1.4 1/125秒 ISO800 WB:オート

 

■ハイライトやシャドーがしっかり粘り空気感を描く

光が印象的な場面こそ、シグマArtレンズが真価を発揮する。ハイライトやシャドーもしっかりと粘り、それがその場の空気や雰囲気を感じさせる写真につながっている。

SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art作例(撮影:鹿野貴司)

ソニー α7R III シグマ 28mm F1.4 DG HSM | Art(マウントコンバーター MC-11使用) 絞り優先オート F1.4 1/800秒 -0.7補正 ISO100 WB:オート

 

 
SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art

FLDガラス2枚、SLDガラス3枚を採用。大口径非球面レンズを含む非球面レンズ3枚を効果的に配置することにより、広角レンズで特に気になる倍率色収差を徹底的に補正する。

 

 

■SIGMA 28mm F1.4 DG HSM | Art
シグマ用、ニコンFマウント用、キヤノンEFマウント用:2019年1月25日発売
ソニーEマウント用:発売日未定
160,000円(税別)
[レンズ構成]12群17枚 [最短撮影距離]0.28m [最大撮影倍率]0.19倍 [絞り羽根]9枚(円形絞り) [フィルター径]φ77mm [サイズ(外径×長さ)]φ82.8×107.7mm [質量]約865g
※数値はシグマ用

 

 
〈写真・解説〉鹿野貴司