GRレンズと大型センサーで、ワンランク上のスナップが楽しめるGRシリーズ。いつでも持ち歩けるコンパクトサイズと、さらなる画質の向上を追求したGR IIIの魅力を紹介しよう。
高精細APS-Cセンサーを搭載したコンパクトなスナップシューター
スナップカメラの代表格と言えるリコーGRシリーズ。2005年に初代GRデジタルが登場し、2013年に撮像素子が1/1.7型からAPS–CサイズになったGRが誕生する。しかし画質は大きく向上したが、ボディも大型化した。GR IIIはGRデジタル並みの小型化に成功。手にするとAPS–Cセンサーとは思えないほど小さい。
<SRを搭載しながらコンパクト化を実現>
向かって右側がAPS-Cセンサーになった初代のGR。左のGR IIIは幅が短くなったのがわかる。内蔵フラッシュが省略されたが、スナップは基本的にアベイラブル(地明かり)で撮るので問題ない。しかも手ブレ補正機構SRが搭載されてこの小ささは驚異的だ。
▲GR III(左側)/初代GR(右側)
レンズはお馴染みの28mm相当F2.8。しかも薄型光学系を採用した新設計だ。2424万画素になったセンサーやGRエンジン6により、画面全域で高い解像力が得られる。さらに手ブレ補正機構「SR」を搭載し、暗所に強いだけでなく、手持ちでスローシャッター効果を使った表現も楽しめる。
<新設計の薄型GRレンズで画質を追求>
レンズはGR IIの5群7枚から新設計の4群6枚の薄型光学系になった。高屈折率低分散ガラスや高精度ガラスモールド非球面レンズを採用。シャープで各収差を良好に抑えている。
<新型センサーで高精細にスナップ>
GR、GR IIではAPS-Cサイズの約1620万画素だったが、GR IIIは約2424万画素にアップ。画像処理エンジン「GRエンジン6」との組み合わせで、細かいディテール再現に優れた高画質を生み出す。
タッチパネルやコントロールダイヤルなど、操作性が向上したのも注目だ。GRらしい使い勝手も踏襲され、従来のGRユーザーでも違和感なく扱える。スナップカメラとしての完成度と魅力がさらに増したのを実感した。
<背面コントロールダイヤルで操作性アップ>
GRシリーズで初めて十字キーの周囲にコントロールダイヤルを装備。メニュー画面のスクロールや再生画面の送る、戻るのなどの操作がスピーディーに行なえる。クリック感も良好だ。
<画面をタッチして直感的に撮影できる>
タッチパネルもGRシリーズで初の採用。メニュー画面の操作や再生画面のピンチイン、アウトなど、スマホ感覚でスムーズに扱える。個人的にはタッチAFがとても便利だった。
【実写編】コンパクトなスナップシューターだから、いろいろなシーンで活躍
解像感の高いスナップが手軽に楽しめる
壁の細かい質感や、葉の一枚一枚がしっかり解像している。手ブレ補正機構SR を搭載したおかげで、とっさのタイミングや不安定な構えでも手ブレしにくく、高い解像力を生かした写真が楽しめる。高画質でスナップしやすいカメラだ。
RICOH GR III 絞り優先オート F8 1/160秒 ISO100 WB:マルチパターンオート
ISO3200まで常用で使える高感度画質
GR IIではISO感度の最高は25600だったが、GR IIIは画素数が増えながら高感度にも強く、ISO102400が可能になった。個人的にはISO3200までは常用域。ISO6400は高感度らしいノイズ感があるものの、拡大しない限り気にならない印象で、十分実用的だ。壁の細かい質感や、葉の一枚一枚がしっかり解像している。手ブレ補正機構SRを搭載したおかげで、とっさのタイミングや不安定な構えでも手ブレしにくく、高い解像力を生かした写真が楽しめる。高画質でスナップしやすいカメラだ。
RICOH GR III 絞り優先オート F4 1/50秒 ISO100 WB:太陽光
スローシャッター効果を手持ちで表現できる
約4段分の効果が得られる手ブレ補正機構SR(シェイクリダクション)の搭載で、スローシャッターに強くなった。しかも2段分の効果を持つNDフィルターを内蔵。明るい日中でも噴水の水を強調した、動感のある写真が撮れた。
RICOH GR III 絞り優先オート F16 1/10秒 -0.3補正 ISO100 WB:マルチパターンオート 内蔵NDフィルター使用
個性的なモノクロ作品づくりがカンタン
GRIIまでの「画像設定」と「エフェクト」が統合され、10種類の仕上がり設定が選べる。その中でもモノクロは4種類あり、ここではハードモノトーンを選択。路面に反射する強い光と、歩く人の長く伸びた影を強調した。
RICOH GR III 絞り優先オート F5.6 1/400秒 ISO100 WB:マルチパターンオート
GR IIIの楽しさが広がるアクセサリーが充実!
初代GR デジタルから、ワイドコンバージョンレンズや外部ファインダーなど、アクセサリーが豊富なのも特徴だった。GR IIIも21mm相当の超広角になるワイドコンバージョンレンズを用意。レンズアダプターGA-1に装着する。またGA-1単体で49mmのフィルターの装着も可能だ。そしてダークグレーカラーのリングキャップや、メタルホットシューカバーでドレスアップも楽しめる。こだわりのカメラらしく、見た目も意識したGR IIIに仕上げたい。
ワイドコンバージョンレンズGW-4
参考価格/27,000円
レンズアダプターGA-1
参考価格/5,400円
メタルホットシューカバーGK-1
参考価格/3,024円
リングキャップGN-1(DG)
参考価格/2,700円
GRシリーズ スペック比較
GR III | GR II | |
レンズ | 約28mm相当F2.8(4群6枚) | 約28mm相当F2.8(5群7枚) |
撮像素子 | 有効約2424万画素 APS-CサイズCMOSセンサー |
有効約1620万画素 APS-CサイズCMOSセンサー |
画像処理エンジン | GRエンジン6 | GRエンジンV |
ISO感度 | ISO100~102400 | ISO100~25600 |
AFシステム | 位相差+コントラスト | コントラスト |
液晶モニター | 3.0型約103.7万ドット(タッチパネル) | 3.0型約123万ドット |
動画機能 | フルHD/60p対応 | フルHD/30p対応 |
大きさ | 幅109.4×高さ61.9×奥行き33.2mm | 幅117×高さ62.8×奥行き34.7mm |
質量 | 約257g (バッテリー、記録メディア含む) |
約251g (バッテリー、記録メディア含む) |
参考価格 | 121,500円 | 69,470円 |