機材レポート

美ボケをまとった立体感ある描写!ロッコールの味わいをデジタルで楽しめる「MINOLTA AF 100mm F2」

中村文夫の古レンズ温故知新「MINOLTA AF 100mm F2」

現在ソニーがデジタル一眼レフに採用するAマウントのルーツは、ミノルタが1985年に発売した「α-7000」。現在発売中のAF一眼レフのなかで最も古いレンズマウントで、ミノルタのカメラ事業を継承したソニーにそのまま引き継がれた。

 

MINOLTA AF 100mm F2

「ミノルタ AF100mm F2」の発売は1987年で、α用レンズシリーズの第一世代最終期の製品。近距離時の画質低下を防ぐためピント合わせはレンズ前群だけが移動する方式。ただし最短撮影距離が1mと長めなのが残念。

 

美しいボケをまとった立体感のある描写

ミノルタ時代を含めた33年の歴史の中で、様々なAマウントレンズが登場したが100mmF2は今回紹介する1本だけ。おそらく85mmF1.4の登場でその役目を終えたと判断されたのだろう。なお100mmという焦点距離に限定すれば、マクロ、ソフトフォーカス、STFなどの特殊レンズが存在するが、いずれも開放F値は2.8だ。

 

ロッコールの味わいをデジタルで楽しめる

このレンズの魅力は開放時の浅い被写界深度と美しいボケ味。少し長めの焦点距離とF2という開放F値のコンビネーションは最高で、被写体との距離がある程度離れていても背景が美しくボケる。さらに立体感の再現性に優れ、平面であるはずの画面から被写体の奥行き伝わって来る。また開放時の解像力は現在のデジタル用レンズには及ばないが、ディテールの描写に柔らかさが残りフィルムテイストが強く感じられるなど、まさに往年のロッコールの写りをデジタルで楽しめる。

 

 
MINOLTA AF 100mm F2

第一世代レンズの多くは、円形絞りを採用したNewタイプに進化したが、実はこのレンズの絞りは最初から円形だった。写真はF2.8に絞った状態。

 

 
MINOLTA AF 100mm F2

「α7 III」への装着にはソニー「LA-EA3」を使用。このレンズはカプラー駆動式なのでピント合わせはMFになる(LA-EA4は3点クロス15点AFが可能)。

 

 
MINOLTA AF 100mm F2作例(撮影:中村文夫)

電停名表示塔とほんの少し後ろにある都電のわずかな距離差が画面上ではっきり分かる。ディストーションが良好に補正され直線が歪まない点も高評価のポイントだ。

ソニー α7 III F2 1/160秒 ISO100

 

 
〈文・写真〉中村文夫