機材レポート

あなたならどう使う? “音まで撮れる”新世代のチェキは楽しみ方が無限大!

1憶200万画素デジタルカメラ発表の2週間後にモノクロフィルム再発売を発表するなど、ここ最近話題に事欠かない富士フイルム。今度は近年大人気のインスタントカメラ「チェキ」の新型「instax mini LiPlay(リプレイ)」が発表された。しかも、「音声記録」も可能な“ハイブリッドインスタントカメラ”なのである。本稿では、発表当日に東京都内で行われた新製品発表会の様子や製品の詳細などについてお伝えする。

▲本体の大きさは82.5×122.9×36.7mmで重さは約255g。シリーズ史上最小・最軽量となっている。特に従来機よりも薄型で持ちやすく、軽快に撮影できる。価格はオープンだが、公式オンラインショップでの価格は1万8900円(税込)。発売予定は6月21日だ。

 

チェキとは?

チェキの愛称で親しまれているインスタントカメラ「instax」シリーズは、1998年に登場。すでに20年以上の歴史を持つ人気シリーズで、世界累計出荷台数は約4500万台にもなるという。そのうち「instax mini」フィルムは86×54mm(画面サイズは62×46mm)で、ファイルして持ち運んだり、手渡ししたりしやすいサイズ感。コミュニケーションツールの1つとして10代や20代のユーザーを中心に広く受け入れられている。

▲発表会場には、1998年登場の初代「instax mini 10」から初めてデジタルセンサーを採用した「instax SQUARE SQ10」(2017年)、その進化版の「instax SQUARE SQ20」まで歴代のチェキが展示されていた。

 

発表当日に行われたプレス向け発表会では冒頭、富士フイルム株式会社代表取締役社長 COO、助野健児氏が挨拶し、「チェキはフォトイメージング事業の牽引役の1つで、昨年は全世界で1000万台以上が販売されている。さらに多くのユーザーに写真を楽しんでいただくために新時代にふさわしい新製品を発売する」と語った。その言葉からは、世界的な人気ぶりや新製品に対する強い意気込みが伝わってくる。

▲富士フイルム株式会社 代表取締役社長 COO 助野健児氏(中央)と、発表会当日のゲストでモデル/女優の堀田茜さん(右)とモデルの谷まりあさん(左)。

 

続いて、同社のイメージング事業部長、岩崎哲也氏より新製品についての説明が行われ、「コンセプトはLive life & Play。LiPlayで自分らしく、毎日をもっと楽しもうという思いを込めている。新たに『サウンド(音声記録)機能』(詳しくは後述)を搭載したことで、目で見る“視覚”やプリントを手にする“触覚”に加え、“聴覚”も追加され、五感の相互作用により撮影イメージに対する高い効果が得られる」と、その魅力を語った。

▲富士フイルム株式会社 イメージング事業部長 岩崎哲也氏。instaxならではの魅力として「約9秒でプリントできる即時性やアナログプリントの独特な味わいがある」と語り、これにデジタル機能が加わることで独自性の高い製品になっているとした。

 

【実際に触ってみた】スマホプリンターとして使えるほか、“音声記録”にも対応

ここで、改めて「instax mini LiPlay」の特徴を見てみよう。

▲小型軽量なのはもちろん、ボディが薄型で持ちやすい。正面は特にシンプルなデザインで、右下の録音ボタンがワンポイントになっている。

 

まずカメラ部は、レンズが28mm相当F2で、2560×1920ピクセルでのデジタル記録(内蔵メモリー&microSDカード採用)が可能。露出やホワイトバランス、フォーカスはフルオートだが、露出補正には対応する。

 

背面モニターは、2.7型約23万ドットだ。プリンター部は800×600ドットで、本機で撮影したJPEG画像のほか、スマホから転送したJPEG、PNG、HEIF画像のプリントに対応し、スマホプリンターとしても活躍。スマホとの接続は専用アプリとBluetoothで行う。連携させることでスマホをカメラのリモコンとしても使用できるほか、フレーム(本体内蔵と合わせて30種類)の追加などもアプリを介して行える。

▲背面には2.7型モニターを装備。その下に右からプリント、再生、戻るの各ボタンと十字キーを配置。Bluetooth設定なども含め、基本的な操作はこのボタン類で行える。

 

▲側面には電源ボタンと3つのユーザー設定ボタンを配置。ユーザー設定には、お気に入りのフレームなどを登録しておける。

 

▲専用アプリを使うことで、スマホをリモコンとして使える。撮影中の映像がスマホに表示されるので、アングルを変えながらの撮影や記念写真にも便利。

 

最大の特徴である音声記録機能は、記録時間は1枚につき最大10秒間で、撮影時だけでなく撮影後の録音も可能。この録音データは、スマホ経由でデータが富士フイルムの専用サーバーにアップ。プリントにQRコードを付けることで、ほかのスマホでもQRコードを読み込めばサーバーにアクセスして音声再生が可能になる。

 

例えば、QRコード付きのチェキプリントを友人にプレゼントすると、プレゼントされた友人のスマホでもQRコードを使って記録した音声が再生できるといった具合だ。

▲ボディ前面に配置の録音ボタン。撮影時に長押しすることで最大10秒間の音声が記録できるほか、撮影後に音声を付加することも可能。

 

▲会場に展示されていた富士フイルムのイメージキャラクター、広瀬すずさん撮影の音声付きチェキ。現在のところ、音声データは原則として1年間は専用のサーバーに残り、サーバー使用料などもかからず、容量も無制限という大盤振る舞いな仕様だ。

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