機材レポート

キヤノンRシステムの魅力を高める、超高性能中望遠「RF85mm F1.2L USM」がついに発売! その特徴を改めておさらい

2月に開発発表されていたRFレンズの1本、「RF85mm F1.2L USM」がついに発売された。このレンズはAPD(アポダイゼーションエレメント)仕様のDSタイプも登場予定だが、まずはノーマルバージョンのみ先に登場した形となる。改めて、リリースとサンプル写真からその特徴を読み解いてみよう。


キヤノン
RF85mm F1.2L USM
実売価格/354,650円(税込/2019年7月16日時点)

 

軸上色収差除去にこだわりクリアでソフトなボケ描写

光学設計はもちろんミラーレスネイティブとなり、ショートバックフォーカスを大いに生かした設定となっている。絞りを挟んで対称型になっている部分もあり、描写風味はダブルガウスベースを生かした若干ニジミボケを煮詰めた優等生タイプと想像する。解像感は極めて高そうだ。

UDレンズ、研削非球面レンズのほか、BRレンズも用いられ、軸上色収差の徹底的な補正もなされている。絞り直前の曲率の大きなUDレンズ、そして中望遠単焦点では初めて見た凹の研削非球面レンズが中央部に位置しているのはユニークなところ。

BRレンズはすでに2015年に登場したEF35mm F1.4Lで採用、その軸上色収差に対する補正効果の高さはすでに評価を得ている。3年以上、なりを潜めていたが、ここへ来て再度採用された点には注目したい。

デザイン的にはRF50mm F1.2をさらに太くし、先端にはコントロールリングを備える。EF85mm F1.4に搭載されISは非搭載だ。

レンズは9群13枚構成


EF85mm F1.4L IS USMとは全く異なり、バックフォーカススペースまで存分に生かし切ったミラーレス用ならではの設計。絞り前後は対称構成で、ダブルガウス風味になっている。全長が比較的短めなのも特徴だ。

超高画質と開放F1.2の大きなボケが特徴


 

ピント面の解像感はサンプルを見た限りでは、この上ない極上。後方へのアウトフォーカス描写は若干ニジミを感じさせつつ、自然で美しい描写。背景の玉ボケはソフト。口径食も少なそうだ。

BRレンズを採用し、ほぼゼロかというほどの低い軸上色収差を実現

<RF85mm F1.2L USM>

<EF85mm F1.2L Ⅱ USM> 

EF85mm F1.2L ⅡUSMでは後方のボケの高輝度部エッジに軸上色収差による色付きが盛大に出てしまっている。新RF85mmでは、それが全く出ずにクリア。1つ前の人物写真でも輪郭などがクリアにぼけていることから、その効果の高さがわかる。 

 

RF85mm F1.2L USMの主な仕様

レンズ構成/9群13枚
絞り羽根枚数/9枚(円形絞り)
最小絞り/16
最短撮影距離/0.85m
最大撮影倍率/0.12倍
フィルター径/82mm
最大径×長さ/φ103.2×117.3mm
質量/約1,195g