ラージフォーマットセンサーを搭載したGFXシリーズに、待望の1億200万画素モデルが登場! 富士フイルムならではの写真画質と、ボディ内手ブレ補正による軽快な使い心地を紹介しよう。
▲富士フイルム「GFX100」。ボディは四角く大きい。といっても重量1.4キロなので他社製35mm一眼レフカメラのフラッグシップモデルとほぼ変わらない。黒とメタリックグレーのツートーンデザインは見た目をシャープに感じさせる。参考価格は1,323,000円(税込)。
1億画素の優れた画質を手持ちでアクティブに!
ついに来た1億画素時代。ラージフォーマットミラーレスカメラ「GFX100」が登場した。海外メーカーの1億画素モデルは600万円以上の価格だったため、GFX100が実質初めてのコンシューマー機と言えるだろう。1億画素は撮影した画像を拡大すると、これまで経験したことのない解像力で、少し理解が追いつかないくらいによく写っている。解像力と階調性は間違いなく世界最高のものだ。
しかもただの超高画素ではなく、かなりアクティブに撮れるのがGFX100の魅力。1億と聞いて心配になるのはブレだと思うが、ボディ内手ブレ補正を搭載することでクリアしている。それも効果は5軸5.5段と、中判とは思えないほど強力。使用感としては日中であれば極端に絞り込んだ撮影でもない限り、手持ちで撮影できる感覚だ。高感度性能もかなり良いため室内などでも大いに手持ち撮影を楽しめる。
AFは高速な像面位相差AFが画面全域に配置され、きびきびとしたAF動作を実現。さらには連写も最大5コマ/秒とかなり高速で動体撮影にも使えてしまう。これらの処理を担うのがXプロセッサー4だが、1億画素でもカラークロームエフェクトが遅延なく使用できるのには感動した。かつてないほどの解像力を持ち、さまざまな現場で十分すぎるほど活躍できる鉄壁とも言える機能美。GFX100は富士フイルムがフィルム時代から培ってきた、ラージフォーマットの粋を結集した最高の一台である。
注目ポイント①1億画素を実現したラージフォーマットセンサー
センサーは43.8×32.9ミリ、対角約55ミリの大型センサー。面積比で35ミリ判フルサイズセンサーの約1.7倍、Xシリーズで採用するAPS-Cにいたっては約3.9倍にもなる。これを今後、富士フイルムではラージフォーマットセンサーと呼称するようだ。
注目ポイント②1億画素の膨大なデータを最新エンジンが高速に処理する!
センサーは約1億画素。通常、画素数が上がれば階調や高感度にとっては厳しいものだが、ラージフォーマットのおかげで画素ピッチに余裕があり、階調再現、高感度はすこぶる良好だ。エンジンはX-Processor 4を採用し、1億画素の膨大なデータでもサクサク処理する。
注目ポイント③5軸5.5段の手ブレ補正が手持ち撮影を支える
ボディ内手ブレ補正、5軸5.5段のパワーは驚異的だ。GF32~64ミリの64ミリ側でテスト撮影したが、1/5秒のシャッタースピードで約6割程度ブレずに撮影できた。
注目ポイント④2個のバッテリーをUSBから同時に充電
USB規格はUSB3.2 Gen1のType-C。高速な画像転送を可能にしている。またUSB PD規格に対応し、電源供給や充電ができる。2個のバッテリーを同時に充電できるので便利だが、充電スピードはそれほど速くない。
注目ポイント⑤撮影モードを素早く切り替えできる
ドライブモードダイヤルには静止画、マルチ、動画モードが用意されている。静止画は連写関連、マルチは各種ブラケットを設定できる。ドライブボタンから設定もすぐに変更できるので便利だ。
注目ポイント⑥EVFマルチアダプターEVF-TL1でファインダー撮影も自由自在!
EVFは576万ドットの超高精細パネルを採用し、見え具合はすこぶる良い。GFX 50Sと同じ着脱式を採用しEVFチルトアダプターを使用できる。ただしGFX 50SのEVFとの互換性はない。
【実写レポート】世界最高峰の写真画質で緻密に描く
圧倒的な解像力がウグイスの表情まで捉える
満開のツツジの中で涼やかにホーホケキョと鳴き声が聞こえる。GFX100は軽快に撮影できるので一瞬忘れそうになるのだが、再生画面を拡大すると1億画素だということを改めて見せつけられる。小さく写っているウグイスを拡大すると驚異的な高精細描写が確認できる。
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富士フイルムGFX100 GF100-200mm F5.6 R LM OIS WR 絞りF8 1/1000秒 −0.7補正 ISO400 WB:オート
軽快なカラークロームエフェクトで記憶色が甦る
GFX100の色再現性は秀逸だ。鮮やかでいて落ち着いたトーンはRAW現像でも生み出せない。特にカラークロームエフェクトの効果は素晴らしく、色飽和を抑えて濃厚に仕上げる。GFX 50Sでは約1秒かかっていた処理時間もGFX100ではほぼなくなり、より使いやすくなった。
富士フイルムGFX100 GF100-200mm F5.6 R LM OIS WR 絞り優先オート F11 1/160秒 −0.7補正 ISO160 WB:晴れ
木陰で見つけたアジサイを手持ちでシャープに
ドライフラワーになった昨年のアジサイと今年咲き始めたアジサイ。木陰の薄暗い場所でローアングルからの不安定な撮影だったが、1/80秒のシャッタースピードで、まったくブレずに撮影できる。
富士フイルムGFX100 GF110mm F2 R LM WR 絞り優先オートF5.6 1/80秒 +1.0補正 ISO1250 WB:晴れ
富士フイルムGFXシリーズスペック比較
GFX100
撮像素子 | 有効約1億200万画素43.8×32.9mm CMOSセンサー |
画像処理エンジン | X-Processor 4 |
ISO感度 | ISO100~12800(拡張ISO50/25600/51200/102400) |
手ブレ補正 | 5軸5.5段(センサーシフト式) |
AFシステム | 117点/425点(TTLコントラストAF)+像面位相差AF |
シャッター | 最速1/4000秒(耐久15万回)・電子シャッター:最速1/16000秒 |
連写性能 | 最速約5コマ/秒(JPEG:41枚) |
ファインダー | 約576万ドット有機EL・着脱式(倍率0.86倍) |
液晶モニター | 3.2型約236万ドット液晶(3方向チルト式/タッチパネル) |
動画機能 | DCI 4K/30p対応(連続最大約60分まで) |
大きさ | 幅156.2×高さ144×奥行き75.1mm(EVF非装着時) |
質量 | 約1400g(バッテリー、記録メディア、EVF含む) |
参考価格 | 1,323,000円 |
GFX 50S
撮像素子 | 有効約5140万画素43.8×32.9mm CMOSセンサー |
画像処理エンジン | X-Processor Pro |
ISO感度 | ISO100~12800(拡張ISO50/25600/51200/102400) |
手ブレ補正 | 手ブレ補正機能付きレンズで対応 |
AFシステム | 117点/425点(TTLコントラストAF) |
シャッター | 最速1/4000秒(耐久15万回)・電子シャッター:最速1/16000秒 |
連写性能 | 最速約3コマ/秒(JPEG:エンドレス) |
ファインダー | 約369万ドット有機EL・着脱式(倍率0.85倍) |
液晶モニター | 3.2型約236万ドット液晶(3方向チルト式/タッチパネル) |
動画機能 | フルHD/30p対応(連続最大約30分まで) |
大きさ | 幅147.5×高さ94.2×奥行き91.4mm(EVF非装着時) |
質量 | 約920g(バッテリー、記録メディア、EVF含む) |
参考価格 | 750,060円 |
GFX 50R
撮像素子 | 有効約5140万画素43.8×32.9mm CMOSセンサー |
画像処理エンジン | X-Processor Pro |
ISO感度 | ISO100~12800(拡張ISO50/25600/51200/102400) |
手ブレ補正 | 手ブレ補正機能付きレンズで対応 |
AFシステム | 117点/425点(TTLコントラストAF) |
シャッター | 最速1/4000秒(耐久15万回)・電子シャッター:最速1/16000秒 |
連写性能 | 最速約3コマ/秒(JPEG:エンドレス) |
ファインダー | 約369万ドット有機EL(倍率0.77倍) |
液晶モニター | 3.2型236万ドット液晶(2方向チルト式/タッチパネル) |
動画機能 | フルHD/30p対応(連続最大約30分まで) |
大きさ | 幅160.7×高さ96.5×奥行き66.4mm |
質量 | 約775グg(バッテリー、記録メディア含む) |
参考価格 | 609,660円 |