機材レポート

『ソニー α77』実写レポート・その1(基本仕様編)

ソニーα77ズームレンズキット
「α55」ボディは、アタマの部分(内蔵フラッシュ部)の出っ張りが特徴的だった。一方、この「α77」ボディは、両肩部が隆起した格好になり、全体のボリューム感が増している。

ソニーα77ズームレンズキット
世界初、新開発の「3軸チルト液晶モニター」を採用。さまざまな撮影スタイルにも対応できる、とても使いやすいモニターである。ただし、情報表示に関しては、内容を吟味したうえで、もう少し簡素化させてもイイ気がするナァ(個人的には)。

 奥行き方向の数値はやや大きいが、全体的に小振りな印象だった「α55」。だが、そのα55に対して、今回の「α77」は、良くも悪くも“大きめで存在感のあるカメラ”になっている。そう、キヤノンなら「EOS 7D」、ニコンなら「D300S」あたりに相当するよね(もちろん、ラインナップ的にも機能的にも)。ちなみに、各カメラのサイズと重さ(ボディのみ)は…。「α77」142.6×104.0×80.9mm・653g。「EOS 7D」148.2×110.7×73.5mm・820g。「D300S」147×114×74mm・840g。あ〜、CとNの2モデルと比べると、α77は微妙に小さくて(奥行きはある)軽いねぇ〜。

 だけど、レンズキットの標準ズーム「DT16-50ミリF2.8 SSM」が577gもあるから、コレを組み合わせたら、けっこうな重さ&ボリュームになる(キヤノンのEF-S 15-85ミリF3.5-5.6 IS USMも同じくらい重いけど)。まあ、このあたりの手ごたえ感が、α55あたりとは違う“α77の風格”にも通じるワケで…。

この『ソニー α77』の最大の特長は、何といっても“新開発・有効約2430万画素「Exmor(エクスモア)」APS HD CMOSセンサー”の搭載だろう。キヤノンのEOSで“約1800万画素CMOSセンサー”が搭載された際にも「APS-Cサイズで1800万画素って大丈夫か?」って思ったけど、そんな少し前の印象がすでに懐かしいよ。…でもって、いま再び「APS-Cサイズで2430万画素って大丈夫か?」って思ってる(苦笑)。個人的には「APS-Cサイズのカメラなら、1200〜1600万画素くらいあれば十分」と思うけど、別にそれ以上の画素数を否定するワケではない。まあ、このあたりの“十分な画素数の基準”って、これからも徐々に上がっていくんだろうね。

今回の、新開発「2430万画素CMOSセンサー」と、進化した画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」の組み合わせは、大容量な情報を高速・高精度に処理する能力を備えている。事実、約12コマ/秒の高速連写や、各種のノイズリダクションなど、大きな負荷がかかる画像処理もサクサクッとおこなわれた。

…で、肝心の“2430万画素CMOSセンサーから生み出される画像”は、キットレンズ「DT16-50ミリF2.8 SSM」の安定した性能と相まって、かなり上質な画像を得ることができた。ただし、高感度性能は同社の1600万画素CMOSセンサーほど高くはないので、画質を重視する撮影では、ISO感度設定の目安を少し低めにした方がイイだろうね(Dレンジオプティマイザーを強めに設定する場合も同様)。

操作性に関しては、Fnボタンとマルチセレクター(上下左右と中央に押す)による設定(各種機能の)が基本になる。この操作の方式に関しては特に問題はなさそう。だけど、ダイヤルを使用してシャッターや絞りや露出補正値を変える際に、その反応がワンテンポ遅れるのは、ちょっと気になりますナァ〜、エントリーモデルじゃなんだから。こういった体感的な部分がブラッシュアップされたら、さらに“高性能なカメラ”という印象が強くなるだろう。

約235万ドット相当の有機ELファインダー「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」と、約92.1万ドットの3.0型「エクストラファイン液晶」の見え具合は、実に素晴らしいよ! 特に、エクストラファイン液晶の、高コントラスト&黒の締まりは、他社の液晶とはひと味もふた味も違う印象を受ける。

それと、世界初の「新開発3軸チルト液晶モニター」の対応力の高さも特筆に値する。ローポジション、ハイポジション、ローアングル、ハイアングル、縦位置撮影、三脚撮影、自分撮り…と、あらゆる撮影スタイルに対応でき、快適な撮影がおこなえるんだよねー。

舞い散る(C)吉森信哉
◆ソニー α77 DT16-50ミリF2.8 SSM(17ミリで撮影) 絞り優先オート F3.5 1/320秒 -0.3補正 WBオート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

蒼穹(C)吉森信哉
◆ソニー α77 DT16-50ミリF2.8 SSM(16ミリで撮影) 絞り優先オート F11 1/125秒 WBオート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)/span>

銀杏葉の絨毯(C)吉森信哉
◆ソニー α77 DT16-50ミリF2.8 SSM(16ミリで撮影) 絞り優先オート F16 1/40秒 +0.3補正 WBオート ISO400 4000×6000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)/span>

長い影(C)吉森信哉
◆ソニー α77 DT16-50ミリF2.8 SSM(17ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/200秒 WBオート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)/span>

夕暮れ時のステンドグラス(C)吉森信哉
◆ソニー α77 DT16-50ミリF2.8 SSM(16ミリで撮影) 絞り優先オート F3.5 1/25秒 WBオート ISO200 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)/span>

イルミネーション猫(C)吉森信哉
◆ソニー α77 DT16-50ミリF2.8 SSM(50ミリで撮影) 絞り優先オート F2.8 1/8秒 +1.7補正 WBオート ISO400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)/span>

ソニーα77+DT16-50mm F2.8 SSM+70-300mm F4.5-5.6 G SSM
「α77+DT16-50ミリF2.8 SSM」の左側にあるのは、望遠ズーム「70-300ミリF4.5-5.6 G SSM」。お〜っ、かなりハイクォリティーな“ダブルズームキット”だぁ。次回の実写レポートでは、この望遠ズームの話&作例も紹介するよ!