機材レポート

富士フイルム「X-A7」実写レビュー! スナップから本格的な作品づくりまで記憶色で描くAPS-Cミラーレス

富士フイルムXシリーズのスタイリッシュなエントリー機がモデルチェンジ。独自の色再現による写真画質とコンパクトサイズを両立し、AF性能に磨きを掛けた「X-A7」の実力を紹介しよう。

富士フイルム 
10月下旬発売予定
参考価格/ 84,500円(XC15-45mmキット・税別)

基本的なデザインはX-Aシリーズを踏襲しているが、背面はX-A5から大きく変わった。バリアングル液晶モニターやジョイスティック状のレバーを装備し、十字ボタンは持たないのが新鮮だ。レバー操作とタッチパネルで設定する。

 

スタイリッシュに持ち歩き、タッチ操作でカンタン撮影

富士フイルムのエントリーモデルであるX-Aシリーズは、一般的なベイヤー配列のCMOSセンサーを搭載している。X-A7もベイヤー配列の有効2430万画素CMOSセンサーであるが、クラス初となる銅配線を採用。位相差画素をセンサー全面に配置し、動体や低照度、顔・瞳認識などで、大きくAF性能が向上している。

<-Aシリーズ スペック比較>

また3.5インチの大型タッチパネル液晶は視認性が高く、操作もスムーズ。画面右下にある矢印をタッチすればアイコンが現れて、メニュー画面を表示しなくてもAFやフィルムシミュレーションなどの機能が、タッチで設定変更できる。アイコンの意味がわからなくても、「?」マークをタッチすれば説明が表示されるため、ビギナーでも直感的に扱えるのが特徴だ。

デザインはX-Aシリーズを踏襲しているが、モニターはチルト式から横に開いて回転するバリアングル式になった。4K動画に対応し、ビデオカメラ感覚で使えるように配慮したのかもしれない。わずか320gのボディはAPS-Cサイズとは思えないほど軽く、女性も気軽に持ち歩けるだろう。

ベイヤー配列のセンサーとはいえ、富士フイルムらしい色調だ。高感度も強く、よほど拡大しなければISO12800も実用的。カメラ任せで明るい写真が撮れるブライトモードや、超秒露光の最中でもモニターで光跡が確認できるライトトレイルなど、だれでも手軽に本格的な写真が楽しめる。

コンパクト&高性能なレンズをセット

23-69mm相当の標準ズームレンズ「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」を同梱。小型で135gと軽く、X-A7にマッチする。またパワーズームで動画時のズーミングもスムーズ。レンズ先端から5cmの近接撮影も可能だ。

自由なアングルから軽快にタッチ撮影

バリアングル式になった液晶モニターは、縦位置でのローアングルやハイアングルも撮りやすい。また動画撮影でもさまざまなアングルに対応可能だ。タッチ操作もスムーズに行える。

手軽に持ち歩けるコンパクトサイズ

APS-Cサイズ機としては小型で軽い。小さなバッグにも収納しやすいので、女性でも楽に携帯でき、すぐに高画質な撮影が楽しめる。グリップは指に掛かりやすく、ホールド感も良好だ。

写真や動画データを素早くシェア

専用アプリ「FUJIFILM CameraRemote」でスマホやタブレットとX-A7を接続できる。本体の改良により接続性と安定性も改善された。有線での接続もでき、大容量データの転送に便利だ。

 

X-A7で実際に撮影してみた

明るく鮮やかな記憶色がカメラ任せで再現できる

カメラ任せのアドバンストSRオートに搭載された「ブライトモード」を使用。そのまま撮影するより明るい写真になった。明るく、柔らかな雰囲気に仕上げたい時に有効だ。設定もブライトモードのアイコンをタッチするだけ。

光跡を確認しながら幻想的な夜景を撮影できる

シーンポジションに、新たにライトトレイルが追加された。車のライトなどの光跡を入れた夜景を撮る際、露光中にモニターで光跡の状態が確認できる。冬に向けてイルミネーションを撮るのに最適なモードだ。なお三脚は使用すること。

高感度画質を生かして夕暮れの街を手持ちスナップ

ISO6400で撮影。拡大するとやや高感度らしさがあるものの、不自然ではない仕上がり。暗所や近接撮影などブレやすい条件では積極的に高感度を使おう。また特にビギナーはISOオートも活用したい。

高画質な4K動画撮影が楽しめる!

撮影した4K動画をパソコンで再生。エントリー機ながら、センサー全画素読み出しによる4K動画撮影が可能だ。SNS用に便利な15秒、30秒、60秒のカウントダウン機能も搭載する。Vlogなどで、手軽に本格的な動画撮影をしたい人にも注目のカメラだ。

 

【ギャラリー】

 

※本レポートはベータ機を使用しています。