機材レポート

小さくても質感の高い「ナノ一眼」を使ってみたヨ『ペンタックス Q』

ペンタックスQ
借用したホワイト仕様『ペンタックス Q』に、標準単焦点『01 STANDARD PRIME』を装着。この組み合わせが基本にしてベストかナ、やっぱり!

02 STANDARD ZOOM
27.5-83ミリ相当の画角をカバーする標準ズーム『02 STANDARD ZOOM』。言うまでもなく、一般のデジタル一眼カメラの標準ズームよりもコンパクトかつ軽量(フィルター径40.5mm、重さ約96g)。でも、開放F値は「F2.8-4.5」と、意外に明るいんだよネ。

01 STANDARD PRIME
Qボディとセットで販売される標準単焦点『01 STANDARD PRIME』。標準ズーム「02 STANDARD ZOOM」以上にコンパクトで軽量(約37g)なうえに、F1.9という明るい開放F値も持ち合わせる。描写性能もかなり優秀。

 パナソニックとオリンパスの「マイクロフォーサーズ機」。そして、ソニーの「NEXシリーズ」…と、活気を帯びているミラーレス一眼の市場。そんなホットな市場に参入してきたのが『ペンタックス Q』である。そのペンタックス Qと、数本の交換レンズなどを、つい先日メーカーからお借りした。ちょうど秋の帰省(地元NPO主管のフォトコンテスト審査と撮影会指導、義父の四十九日法事)と重なったので、その期間に使ってみることにした。

 ミラーレス一眼の大きな魅力のひとつに“コンパクトで軽量”という点が挙げられるが、その点に関しては「ペンタックス Q」が他を圧倒している。ボディ重量「約180g」という数値も尋常じゃないけど、開放F1.9の標準単焦点レンズが「約37g」って、一体どーいうコトだよ!?(笑)

当初、ペンタックス Qのデザインで気になったのは“グリップ部の狭さ”である。通常サイズの一眼でも「ホールディングが窮屈そう」と感じるデザインなんだけど、さらにこのカメラはハンパなく小さいワケだし、大丈夫かコレ!? ちゃんと持てるの? …と、心配になったのである。

でも、実際に手にして使ってみると、意外と大丈夫だった。レンズ交換式のデジタルカメラとしては群を抜くコンパクトさと軽さなので、右手でしっかりホールディングできなくても、そんなに不安定な感じはしなかったのよネ。…それと、マグネシウム合金ボディの上質な質感や剛性感は、さすがにプラスチック製のカメラとは、ひと味もふた味も違うナァ〜。

「1/2.3型」という撮像素子の小ささには賛否両論あるだろうが、撮影機能に関しては、ペンタックスの一眼らしい、かなり充実した内容になっている。特に“絵作り”に関するモードが超充実! 9種類の「スマートエフェクト」、19種類の「デジタルフィルター」、11種類の「カスタムイメージ」…などなど、その表現モードの多彩さに圧倒される。ええ、今回の借用期間では、ほとんど使いこなせませんでしたよ(苦笑)。まあ、被写体の前後にボケ加工を施す「ボケコントロール」はご愛嬌だけど。

ほかにも、ボディ内手ぶれ補正機構「SR」、ホコリの写り込みを防ぐ超音波振動方式「ダストリムーバル」、機能割り当てが可能な「グリーンボタン」、カメラ内での「RAW展開」…といった、ペンタックスならではの、基本機能の充実ぶりも大きな魅力である。

そして、超コンパクト設計ながら、高性能と高画質をウリにする2本のレンズ『01 STANDARD PRIME』と『02 STANDARD ZOOM』の使い勝手や画質も、十分に満足できるレベルだった。特に、47ミリ相当の標準単焦点『01 STANDARD PRIME』の描写が素晴らしい! 標準ズーム『02 STANDARD ZOOM』の方は、Kマウントの標準ズーム(DA 18-55ミリF3.5-5.6ALなど)と同様、望遠域での至近距離(最短撮影距離付近)の描写がアマいのが残念だけど、全体としては“まずまず”の描写性能かな。あと、この2本のレンズは、レンズシャッター機構やNDフィルターを搭載しているので、表現の幅もけっこう広がるんだよネ。

花壇の群生(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 02 STANDARD ZOOM(27.5ミリ相当で撮影) プログラムオート F4 1/500秒 WB:オート ISO125 3000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

ヤギとミニブタ(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 02 STANDARD ZOOM(57ミリ相当で撮影) シャッター優先オート F4 1/125秒 WB:オート ISO125 4000×3000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

ミニブタちゃん(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 02 STANDARD ZOOM(27.5ミリ相当で撮影) プログラムオート F5 1/1000秒 WB:オート ISO125 4000×3000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

秋空に映える石造りの鳥居(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 02 STANDARD ZOOM(27.5ミリ相当で撮影) プログラムオート F4.5 1/1250秒 WB:オート ISO125 4000×3000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

ヒガンバナ(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 01 STANDARD PRIME(47ミリ相当) 絞り優先オート F1.9 1/1250秒 内蔵NDフィルター使用 WB:オート ISO125 4000×3000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

ヒガンバナと秋の景色(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 01 STANDARD PRIME(47ミリ相当) 絞り優先オート F1.9 1/1600秒 内蔵NDフィルター使用 WB:オート ISO125 4000×3000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

日暮れ色(C)吉森信哉
◆ペンタックス Q 02 STANDARD ZOOM(27.5ミリ相当で撮影) プログラムオート F4 1/400秒 WB:オート ISO125 4000×3000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)