機材レポート

ノクトンの大口径超広角レンズをライカM(Typ 240)に装着して実写! フォクトレンダー「NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM」レビュー

フォクトレンダーの大口径レンズシリーズ・NOKTON(ノクトン)に、VMマウントを採用した超広角21mmが登場。距離計を超える最短撮影距離を実現し、ボケ味まで追求したMF超広角レンズの魅力を紹介しよう。

 

クラシカルなデザインの近接に強いMF超広角

ライカMマウント互換のVMマウントを採用した、ノクトンシリーズの超広角レンズ。F1.4の明るさながらコンパクトで、鏡筒は総金属製で剛性と耐久性に優れ、質感も高い。クラシカルなデザインのフォーカスリングは適度なトルクでスムーズに回転する。

 

ここではライカM(Typ 240)に装着した。レンズ構成11群13枚のうち、非球面レンズを2枚、異常部分分散ガラスを3枚使用。絞り開放から解像力が高く、画面周辺でも甘さが少ない。色収差も良好に補正されている。

 

最短撮影距離は0.5mでレンジファインダー用レンズとしては短い。ただし距離計が連動するのは0.7mまで。それを超えるとライブビューやEVFで使用することになる。ライカMシステムユーザーはもちろん、マウントアダプターを介してミラーレスでも使ってみたいレンズだ。

 

12枚の絞り羽根が自然なボケ味を引き出す

絞り羽根は、なんと12 枚もある。そのため絞ってもほぼ円形になり自然なボケ味だ。被写体に思い切って接近すれば、21mmの超広角レンズでもボケを生かした写真が楽しめる。

 

キレのある超広角描写と大きなボケが魅力

大口径レンズの絞り開放だが、甘くならずキレのある描写だ。周辺光量低下も少ない。強いパースペクティブと超広角レンズとは思えない大きなボケは、21mm F1.4だからこその世界。コンパクトで機動力が高いのも魅力だ。

ライカM(Typ240) NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM 絞り優先オート F1.4 1/4000秒ISO200 WB:オート

 

最短50cmの接写がライブビューで楽しめる

衛兵の形をした看板に最短撮影距離まで近付いて撮影。距離計は連動しないのでライブビューを使用している。絞りはF2.8。背景のボケが角張らず自然な仕上がりだ。またフローティング機構により近接でも描写性能が落ちない。

ライカM(Typ240) NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM 絞り優先オートF2.8 1/500秒 ISO200 WB:オート

 

ビューファインダーで素早く構図決定

ライカM のファインダーは28mmまでなので、外付けファインダー、またはライブビューかEVFで構図を決める。コシナからは「フォクトレンダー 21/25mm View Finder M」が発売されている。

 

雰囲気のある角形フードが付属する

角形のレンズフードが付属。こちらもクラシカルな雰囲気だ。超広角レンズは画面に太陽が入りやすいので、フレアやゴースト防止に装着したい。またレンズ表面の保護にもなる。

 

NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM


希望小売価格/ 150,000円(税別)

SPEC
●レンズ構成/11群13枚
●最短撮影距離/0.5m
●フィルター径/62mm
●絞り羽根/12枚
●大きさ/外径69.5×全長69.7mm
●質量/480g

 

【ギャラリー】

 

写真・解説/藤井智弘