機材レポート

遠景から近景までシャープに撮れる! 描写性能にこだわったF1.8超広角レンズ「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」

Zマウントレンズの中でも高い基準を満たすS-LineのF1.8シリーズに、超広角20mmが加わった。撮影距離を問わず、Zシリーズの描写性能を引き出す大口径超広角レンズの実力を紹介しよう。

 

ニコン NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

3月27日発売
参考価格/ 140,800円

SPEC
●レンズ構成/11群14枚
●最短撮影距離/0.2m
●最大撮影倍率/0.19倍
●フィルター径/77mm
●絞り羽根/9枚(円形絞り)
●大きさ/外径84.5×全長108.5mm
●質量/約505g

 

遠近感を生かした描写からボケまで楽しめる超広角

Zマウントレンズらしいシンプルなデザイン。全長がFマウントの20mm F1.8より長く、フードを装着しなければ中望遠レンズのようだ。またFマウントと比べると150gほど重くなったが、極端に重量級というほどではなく、軽快さは十分感じられる。

 

絞り開放から解像力が非常に高い。四隅がわずかに甘いが、拡大しなければ気にならないレベル。周辺光量低下も少なく、F2.8に絞るとほぼ均一になる。ナノクリスタルコートを採用し、強い逆光でもフレアやゴーストが出にくくクリアな写りだ。そしてFマウントと同様に、最短撮影距離が0.2mと短いのも特徴。20mmの遠近感とF1.8のボケを生かした写真が楽しめる。風景やネイチャー、さらに街スナップやポートレートなど、幅広い被写体で活躍できる超広角レンズだ。

 

周辺までシャープな超広角描写が楽しめる

超広角レンズらしい遠近感を狙った。橋の手すりや建物のレンガが実にシャープだ。どの絞り値でも安定した描写が得られる。さすがに小型軽量とはいえないが、街中でも軽快に撮影できた。

ニコンZ 7 NIKKOR Z 20mm f/1.8 S 絞り優先オート F8 1/320 秒 ISO100 WB:オート

 

最新の光学設計で近距離撮影時の画質が向上

最短撮影距離0.2mでナノハナをクローズアップ。絞り開放で背景の建物をぼかした。近距離でも甘くならない高い描写性能は、マルチフォーカス方式の採用と、フランジバックが短いミラーレスのメリットだ。

ニコンZ 7 NIKKOR Z 20mm f/1.8 S 絞り優先オート F1.8 1/4000秒 +0.7補正 ISO100 WB:オート

 

フィールドで安心できるタフネス性

鏡筒の可動部分をはじめ、各所にシーリングを施した防塵・防滴構造。雨天でも安心して撮影に集中できる。また砂ぼこりが舞うフィールドでも心強い。アウトドア派には嬉しい仕様だ。

 

幅広のコントロールリングを装備

他のS-Line F1.8リーズと同様に、コントロールリングはMF時のピント調整だけでなく、絞りやISO感度に割り当てが可能。特に動画撮影に便利だ。リングの幅も広くスムーズに回転する。