機材レポート

AI活用のカメラ新機能が革新的かつ実用的! ファーウェイの注目スマホ「HUAWEI P40 Pro 5G」を試してきた

ファーウェイ・ジャパンは6月2日、オンラインにて新製品発表会を開催。スマートフォン、タブレット、パソコン、ワイヤレスイヤホンなど多数の新製品が発表されたが、写真・カメラファンからの注目度が高いのは新ハイエンドスマホ「HUAWEI P40 Pro 5G」だろう。もはやおなじみとなったライカ銘を冠したカメラを採用しつつ、AIを活用したユニークな機能を搭載している。本稿では、同日に開催された体験会での実写作例も交えつつ、カメラ機能を中心にその詳細を見ていきたい。

▲「HUAWEI P40 Pro 5G」。カラーはブラックとシルバーフロストの2種類。6月12日に発売予定で、市場想定価格は108,800円(税別)

 

とにかくカメラ推しの発表会

ライカ監修のカメラを搭載するなど、従来からカメラ機能に力を注いでいる印象のファーウェイ製スマホ。今回の「HUAWEI P40 Pro 5G」でも最大のアピールポイントはやはりカメラ機能のようで、オンライン発表会の説明の多くをその機能説明の時間に当てていた。

▲Leica クアッドカメラ

 

具体的に見ていくと、アウトカメラは約5000万画素の広角カメラ(23mm相当F1.9)、約4000万画素の超広角カメラ(18mm相当F1.8)、約1200万画素の望遠カメラ(125mm相当F3.4)、3D被写界深度カメラの「Leica クアッドカメラ」を採用。昨年発売されたP30 Proも同じくクアッドカメラ仕様だったが、全体的に画素数が増えている。インカメラは約3200万画素。

 

センサーも前モデルからさらに大型化し、高級コンデジに迫る1/1.28インチの大型センサーを搭載。加えて、RYYB配列とすることで、より効率的に光を取り込むことに成功しているという。

 

驚きの新機能「HUAWEI Golden Snap」を試してみた

このようにHUAWEI P40 Pro 5Gはハード面でのスペックも充実しているのだが、今回特に驚かされたのは新たに追加された機能「HUAWEI Golden Snap」だ。これはAIを活用して従来は難しかった補正などを実現するもの。ここでは会場にて体験できた3つの機能を紹介する。

 

まず1つ目はアニメーション撮影(短い動画)をしてあとからベストショットを選べる機能。動いている被写体を撮る際に役立つほか、記念写真などで目を閉じていた…などという失敗も防ぐことができそうだ。

▲画面下部に9枚の画像が並び、選択中の1枚が大きく表示される。9枚のうちAIが判断したおすすめの1~3枚には王冠マークがつき、少し明るく表示されている

 

▲こちらが実際に撮影した写真。トランポリンでジャンプしている女性を撮影したが、何も考えずにシャッターボタンを切ってもこのとおり一番高く跳躍した瞬間を捉えられた。何も考えてなさすぎて腕が見切れるなどしているがその点はご容赦を

実際に試したところ、2秒間の撮影のあと、AIが抽出したおすすめの写真が9枚並んで表示され、さらに特におすすめの3枚には王冠マークがついていた。デジカメでも連写や動画からの切り出しを活用して同様のことはできるが、おすすめの瞬間を絞り込んで提示してくれるこの手軽さは、AIを活用した本機ならではだろう。

 

続いて、メインの被写体以外の通行人を消してしまう機能。観光スポットや特定のモチーフの前など、人通りが絶える瞬間を狙いづらいシーンで活躍するだろう。

<Before>

<After>

▲メインの被写体が静止しており、消したい通行人が動いていることが条件となる

仕組みとしては、アニメーション撮影を行ったうえで静止しているメインの被写体以外の通行人を認識し、通行人が写っていないカットを合成しているとのこと。したがって、撮影の間に動いていない人物や、逆にAIが通行人だと認識できないほど速く動く被写体は消せない。また、消せる通行人は2人まで。こうした機能は、画像編集ソフトなどで対応しているものはあるが、ここまで手軽に素早く、スマホのカメラ機能だけで完結して仕上げられるとは驚きだ。

 

最後に紹介するのは、ガラス越しで撮影した際などのやっかいな写り込みを除去できる機能。仕組みとしては、ガラスのレイヤーを検知し、そこを除去しているのだという。

<Before>

<After>

▲ショーケースを上のほうから撮影。写真上部を見るとその効果がわかりやすいだろう

体験会で実際に試したところ、会場の光源が強かったためか仕上がりにはややばらつきがあった。とはいえ、上の写真の例を見てもらうとわかるように、成功カットではかなり自然なカタチで写り込みの影響を減らすことができた。特に電車やクルマの中から窓越しに外を撮る際の写り込みの除去に活躍するそうだ。写り込みは気をつけたところでどうしようもないシーンも多々あるが、まさかスマホで簡単に除去できるようになるとは…。

 

高コスパモデルも同時発表! でもやっぱりHUAWEI P40 Pro 5Gが気になる

今回、コスパに優れた「P lite」シリーズとして、5G対応の「HUAWEI P40 lite 5G」(市場想定価格:税別39,800円)と、4Gモデル「HUAWEI P40 lite E」(市場想定価格:税別24,800円)の2モデルもあわせて発表された。ただ、HUAWEI Golden Snapやライカカメラの存在から、写真好きとしては懐が許すならHUAWEI P40 Pro 5Gを選びたい気がする。

 

1つ留意点としては、今回発表された上記3モデルはGMS(Google Mobile Services)に対応しておらず、代わりにHMS(Huawei Mobile Services)が利用できる仕様になっている。このあたりの詳細やカメラ以外の特徴、スマホ以外の新製品などについては以下の関連記事を参照いただきたい。

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いずれにせよ、カメラ・写真に興味がある方であれば気になる存在であることは間違いなさそうだ。いろいろと新機能も紹介したが、正直なところ設定をいじらず普通に撮った普通の写真でさえ驚くほど映える仕上がりで、スマホカメラの進化っぷりに思わずため息が出た。少し古いスマホを使い続けている筆者だが、そろそろ買い替え時かもしれない。そうなると、やはりカメラ業界に携わる身としてはカメラにこだわりをもったスマホに自然と惹かれていくのである。